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親の学歴で子供の収入が変わる=親と同居しているか否かも影響

 2014年にブラジル地理統計院(IBGE)が行った全国家庭サンプル調査(Pnad)の結果を分析したところ、親の学歴が子供の収入に大きな影響を与えている事がわかった。
 16日に発表されたデータによると、親の学歴や職業訓練課程、所得などの要因と子供が所属する社会階級などを分析したところ、親の学歴を含む家族構成や家庭のあり方が、子供の教育レベルや識字レベルその他の事柄と密接に関係している事が判明したという。
 この調査は16歳以上の人5万8千人を対象に行われた。調査結果の解析時は、回答者が15歳だった時に父親や母親が所属していた社会階級なども考慮している。
 それによると、母親が大卒以上の大卒者の平均収入は5826レアル、母親が高卒以下の場合は3078レアルだった。また、父親が大卒以上の大卒者の平均収入は6739レアルで、父親が高卒以下の場合は2603レアルだった。
 子供が高卒の場合は、母親が大卒以上の場合の平均収入が2209レアル、母親が高卒以下の場合は1431レアル、父親が大卒以上の場合は2884レアル、父親が高卒以下の場合は1367レアルだった。
 IBGEによると、子供の学歴や識字率には、父親や母親と同居しているか否か、母親が子供の教育に関心を持ち、学歴を持たせようとしているかが、強い影響を与えているという。
 15歳の時点で母親と同居していた人の識字率は92・2%、母親と同居してなかった人の識字率は88・1%だった。
 また、15歳の時に父親とだけ住んでいた人は無学歴の人が16・2%おり、一番比率が高かった。両親と住んでいた場合や母親とだけ住んでいた場合の無学歴者の比率は、10・8%と10・3%だった。
 同様の分析は初めてで、過去のデータと比べる事はできないが、子供の教育や所得は親の社会階級や職制、所得だけでは決まらず、家庭の中での親の存在が大きい事もわかったという。
 母親が所属する社会階級を超えた子供は51・4%いたが、父親の所属する社会階級を超えた子供は47・4%に留まった。親より収入が少なくて不安定な職業に就いた人は17・2%だった。
 また、父親とだけ住んでいた子供は73・9%が17歳で働き始めるなど、親の職制によって子供が働き始める年齢に差がある事もわかった。父親が農夫の場合は59・6%、父親が自営業や非正規雇用だった場合も46・6%が13歳以下で働き始めていたが、公務員や兵士の子供で13歳以下で働き始めた人は15・2%のみだった。
 一方、母親とだけ同居していた人は76・6%が17歳までに働き始めた。母親が農夫だと、65・9%が13歳以下で働き始めていた。
 回答者の33・4%は親と同じ職業に就いている。親と同じ職業を選んだ人が最も多かったのは科学や芸術の46・1%で、農業が34・9%、製造業や修理、保守が31・4%、サービス業が26・2%だった。管理職一般は19・4%で、親の後を継ぐ例は他業種より少なかった。(16日付G1サイトより)