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文化相辞任の裏に新たな疑惑=大統領府総務室長官が圧力=所有物件ある建物の認可強要?=歴史遺産地の謎の高層ビル

文化相を辞任したカレロ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

文化相を辞任したカレロ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 18日、マルセロ・カレロ文化相が辞表を提出し、5月のテメル政権発足後、5人目の大臣辞職となった。だが、辞任に際し、テメル大統領と近い間柄のジェデル・ヴィレイラ・リマ大統領府総務室長官(民主運動党・PMDB)が、バイア州サルバドールに建てている超高層ビルに所有物件があることを理由として、建設認可を出すよう、何度も圧力をかけたことがその理由と明かし、物議をかもしている。19~1日付現地紙が報じている。

 カレロ氏は辞表を提出後、その原因となったジェデル氏の疑惑に関して、報道陣に内幕を暴露したため、話題が広がった。
 カレロ氏によると、ジェデル氏はサルバドールのサントアントニオ教会に程近い地区に建設中の超高層ビル「ラ・ヴュ・ラデイラ・ダ・バッラ」の建設許可を出すよう、電話と直接会って計5回、圧力をかけたという。
 この高層ビルは、サルバドールの歴史遺産に囲まれた地区に位置し、文化省が直轄する「国立歴史美術遺産院」(Iphan)バイア州支部が2014年に一度建設認可を出したが、今年前半、まだジウマ政権だった頃に、Iphan本部が認可を取り消していた。
 カレロ氏によると、6月に文化相に就任した後、当時、Iphan院長だったジュレマ・マシャド氏から「バイア州に政治的利権の絡んだ建物があるから気をつけろ」と言われたが、その直後にジェデル氏が電話で「Iphanの決定を見直し、ラ・ヴュの建設認可を出せ」と要求されたという。
 ジェデル氏以外からも同様の圧力を受けたことで、カレロ氏はIphanのカチア・ボジェア現院長に、ジェデル氏らの要請について、弁護士から話を聞くなどして、建築認可の可能性に関する意見を求めた。だが、ボジェア院長は「歴史遺産地区の建物としての規制に反している」として認可を拒否した。
 このラ・ヴュは、歴史遺産のある地区の建築物の高さ制限を大幅に超える100メートルに達する高層ビルで、その機能は普通の高級コンドミニアムと変わらない。
 だが、ジェデル氏はこの間、同件を他の大臣に話したり、10月下旬~11月上旬にカレロ氏に電話や面会の形で再度圧力をかけてきた。大統領府も同件を国家総弁護庁で扱うべく、Iphanからの新たな意見書を取り寄せるよう求められたりもした。元来が政治家でなく、外務省出身だったカレロ氏は、「こういうことに巻き込まれたら自分の経歴に傷がつく」と苦悩したという。
 ジェデル氏はラ・ヴュに250万レアルの物件を購入しており、同氏のいとこでバイア州内のレストランの共同経営者でもあるジャイメ・ヴィエイラ・リマ氏が、建設担当企業「コスバット」の顧問弁護士であることがわかっている。
 ジェデル氏はラ・ヴュとの関係は認めたものの、恐喝の事実も現職務の辞任も否定している。