ホーム | ブラジル国内ニュース | 《リオ》貧民街で警察ヘリ墜落で4人死亡=撃墜?故障?原因は不明=警備強化後に密売人7人死亡

《リオ》貧民街で警察ヘリ墜落で4人死亡=撃墜?故障?原因は不明=警備強化後に密売人7人死亡

シダーデ・デ・デウス内に展開した軍警の様子を報じる21日付エスタード紙

シダーデ・デ・デウス内に展開した軍警の様子を報じる21日付エスタード紙

 リオ市西部のファヴェーラ、シダーデ・デ・デウスで19日午後7時半頃、軍警航空部隊(GAM)のヘリが墜落し、乗員の軍警4人全員が死亡したと19~21日付現地紙・サイトが報じた。
 シダーデ・デ・デウスはリオ市有数の危険なファヴェーラで、2009年より軍警の治安維持警察部隊(UPP)が駐屯し、治安維持に努めていたが、近年は他のファヴェーラ同様、物資や人員不足に悩む警察の弱体化により、抑止力が効かなくなっていた。
 シダーデ・デ・デウスでの緊張は17日夜、シダーデ・デ・デウスに隣接し、〃ミリシア〃と呼ばれる暴力団組織の支配するガルデニア・アズル地区に、麻薬密売人達が侵入しようとした事で高まった。同夜から始まった銃撃戦を鎮圧するために軍警が介入したが、抑えきれず、18日には麻薬密売組織のコマンド・ヴェルメーリョが支配するシダーデ・デ・デウス内部のカラテ地区に銃撃戦が拡大した。「18、19日と銃撃戦は止まることなく続いた」と住民は語り、幹線道路のリーニャ・アマレラも朝から夕方まで交通不能となった。
 墜落事故が発生したのは、混乱拡大で、軍警が空からの援護を求め、GAMに出動要請を出した後のことだった。
 出動したのは、防弾仕様の武装ヘリと、防弾仕様ではない監視用ヘリの2機で、墜落したのは監視用ヘリだった。亡くなった4人の死因は墜落による衝撃で、地上から撃たれてはいないと鑑識は見ている。
 事件発生直後、リオ州保安局、リオ州軍警、リオ州市民警察の幹部が集い、対策を協議した。ロベルト・サー州保安局長は、4人の軍警の死を悼むと共に、シダーデ・デ・デウスの治安強化のため、直ちに無期限の特別作戦を開始する事を発表した。
 墜落事故から24時間も経たない20日午前、シダーデ・デ・デウス南部の雑木林でシダーデ・デ・デウスの住民7人が遺体となって発見された。7人の遺族や近隣住民達は、死亡した7人は麻薬密売に関わっていた事を認めた上で、全員が銃で撃たれたり刃物で刺されたりして殺されており、軍警による報復だと語っている。
 法務省は、アレシャンドレ・モラエス法相がリオ州駐屯の国家治安維持部隊をシダーデ・デ・デウス治安回復のために配備した事を明らかにし、「法相はサー保安局長と密接に連絡を取り合っている」とした。