アメリカでは11月の第4木曜日(今年は11月24日)に「感謝祭」を祝うと共に、その翌日を〃ブラック・フライデー〃と呼んで特売の日とする習慣がある。近年はブラジルにもそれが伝わり、日用品や食料品から家電まで、大安売りの日として定着している。
だが、今年は深刻な不況のため、小売業者がブラック・フライデーを前倒して消費意欲を刺激し、在庫一層を狙っていると19日付現地紙が報じた。
ブラジルの調査機関によると、10月初旬以降、新聞などの特売広告の30%にブラック・フライデーを想起させる表現が使われていた。昨年同期はこの割合は2・5%に過ぎなかった。調査会社のレナータ・ゴンザレス氏は「不況による売り上げ減をカバーしようとする業者の狙いが働き、今年のブラック・フライデー商戦は激しいものとなっている」と語る。
家電を主に扱うカーザス・バイーアと情報機器を扱うポント・フリオを展開するヴィア・バレージョ社は、10月第2週から毎週、金・土曜に品数限定ながらブラック・フライデー特売を行ってきた。「ブラック・フライデーの特売に興味はあるが、当日の混乱を嫌がっている消費者がいる事がわかり、前倒しした」と同社のルイス・ヴェンドラミーニ販売部長は語る。
スーパーマーケットのウォールマート社副社長のパトリシア・ニーナ氏は、「今年はブラック・フライデー用の品の仕入れで、工場や農家などから去年より大きな割引幅を獲得することに成功した」と語る。
同社は販売戦略上の観点からブラック・フライデーでの割引率を明らかにしていないが、昨年より大きくなると予想される。
経済専門家達は「ブラック・フライデーはその年の売り上げ未達成をカバーする切り札」「値引き率がどれ位か注視する消費者が25%に増えた」といったコメントを出している。
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