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米国入国拒まれるブラジル人増加=ビザ免除協定の行方は不確実

マルクス・ベルトラン観光相(Beto Barata/PR)

マルクス・ベルトラン観光相(Beto Barata/PR)

 ブラジル人が米国入国の際に必要な観光ビザの発給が拒否される割合が15%近くになり、15年(5%)の3倍、14年(3%)の5倍となる見込みだと22日付現地紙が報じた。
 ブラジルの経済危機と、多くのブラジル人が米国に不法入国を試みようとしている事実が、ビザ申請拒否率が高くなっている主要因だ。正式なデータは28日に発表される。駐ブラジル米国大使館は、同件へのコメントを避けた。
 今年第2四半期、EUへの入国を拒否されたブラジル人は945人に上り、昨年同時期の669人から41%増加した。
 地元紙は21日、ブラジル外務省が発行した報告書を入手した。それは、今年の6月1日から9月18日までの約束で米国、カナダ、日本、オーストラリアと交わした観光ビザ取得義務免除の協約の延長要請を批判するものだった。
 外務省内の批判は、米国がブラジル人に対する観光ビザ発給を制限している事と、トランプ新政権ではそれが一層厳しくなると考えられる事などが原因だ。同省関係者は、米国がブラジル人へのビザ発給を厳しくしているのに、ブラジルが米国人に対してビザ取得義務を免除するのは不平等だとしている。
 五輪が行われた8月にブラジルに入国した米国人は昨年同月比47・3%増の11万6253人だったが、6、7、9月は前年同月比で微減した。
 特定の国との相互観光ビザ免除協定は、22日に下院で議論された。エリゼウ・パジーリャ官房長官、マルクス・ベルトラン観光相、航空会社、旅行会社などが、その実現を望んでいる。
 ビザ免除協定を、国内カジノ解禁案などと共に観光振興政策集に含めているベルトラン観光相は、「観光客を呼び込むためには入国を簡単にする事が不可欠。こんな障害がある事が理解できない」と語っている。