自身の利権の絡んだバイア州の高級コンドミニオの建設認可を強要した疑惑で窮地に追い込まれているジェデル・ヴィエイラ・リマ大統領府総務室長官(民主運動党・PMDB)を守ろうと、22日、連立与党の下院議員たちが協力体制を敷いた。ジェデル氏を巡る疑惑について調査すると決めたはずの大統領倫理委員会の中でも同氏を保護する動きが出て、波紋を広げている。23日付現地紙が報じている。
ジェデル氏はバイア州サルバドール市の歴史遺産地区に高級不動産の「ラ・ヴュ・ラデイラ・ダ・バラ」建設することを、文化省傘下の「国立歴史美術遺産院」(Iphan)に認めさせるよう、マルセロ・カレロ文化相に強要。カレロ氏がこれを苦にして辞任したと明かしたため、ジェデル氏も窮地に追い込まれた。21日には大統領府倫理委員会が真相調査を行うと決め、10日以内に真偽や経緯を説明するよう、同氏に通達した。
だが、テメル政権の連立与党はジェデル氏を現職に留まらせようと署名運動を行い、これまでに各党の党首、もしくは副党首クラスの27人が署名を行った。
下院では既に、アンドレ・モウラ下院政府リーダー(キリスト教社会党)がまとめる連立与党のリーダーたちの間でも、ジェデル氏を守ることで意思統一が図られており、21日の下院本会議でも、ジェデル氏をいかにして守るかが議題になった。ロドリゴ・マイア下院議長も「憲法改正案(PEC)241承認や年金制度改革のためにも、ジェデル氏には連邦政府に残ってもらわないと」と発言している。
この背景には、ジェデル氏が、テメル政権が是が非でも通過させようとし、現在、議会で審議中のPEC241の調整役をつとめていることがある。テメル大統領はジェデル氏の件について明言を避け、同氏が現職に留まるとだけ発表したが、他の閣僚たちには既に、ジェデル氏の話をしないようにとの命令を出している。レナン・カリェイロス上院議長らは、同件はもう解決済みとの見解を示している。
なお、昨日付本紙でも報じた、「ラ・ヴュ」の件でジェデル氏を調査すると決めた大統領倫理委員会の委員の一人が、同件の審理には参加しないと委員長に申し出た。23日に同委員会委員長宛に文書を提出したのは、ジョゼ・レイテ・サライヴァ氏だ。同氏はバイア州の建設業者の協会であるAdemiの顧問弁護士で、同協会のメンバーには「ラ・ヴュ」の建設を担当しているコスバット社も含まれている。
サライヴァ氏は21日の委員会で、7人中6人が賛成してジェデル氏の調査開始が決まりかけた時点で再考を求めたが、結局、賛成に投じた。
これらのジェデル氏保護の動きに、ジウマ前大統領に対する罷免請求をまとめた法学者チームは難色を示した。ジャナイーナ・パスコアル弁護士は21日、「前政権と同じ道を歩む兆候が出ている」と批判した。
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