チクングニア熱による死者急増で、リカルド・バロス保健相が19日、この夏はチクングニア熱への注意を促したと20日付現地紙が報じた。
チクングニア熱はネッタイシマカやヒトスジシマカなどが媒介し、2日~2週間の潜伏期間後に高熱や斑上丘疹、頭痛、関節痛、結膜炎などの症状が出る。熱は2日位で収まるが、関節痛や疲労感、頭痛、不眠などは5~7日続く。チクングニア熱では発熱せずに関節痛を訴える患者も多く、症状がデング熱やジカ熱と似ているために、誤診例も多い。関節痛が2年間続いた例もあるため、疾病保険の払出し額も急増中だという。
保健省によると、14/15年の夏はデング熱が流行、15/16年の夏はジカ熱に驚かされたが、16/17年の夏はチクングニア熱が最大の懸念事項だという。
15年のチクングニア熱患者は3万8300人で、患者発生は696市のみだったが、今年は10月25日までに確認された患者が25万1千人と急増。9月17日現在で患者が確認された市は2297市に上った。特に大変なのは63人の死者が出たペルナンブコ州などの北東部で、内7州は10万人当たりの患者数が300人を超え、流行状態に陥っている。
一方、人口が多く、人口密度も高い南東部でも患者が増え始め、リオデジャネイロ州では5人(エスタード紙より、フォーリャ紙では4人)の死者を確認済みだ。サンパウロ州では645市中62市5657人に感染の可能性がある。同州の患者最多市はサンパウロ市の2624人で、サコマン区8人など、96区中23区で患者や疑いのある患者を確認。グアルーリョス市やリベイロン・プレット市でも感染が拡大中だ。
チクングニア熱ウイルスは3種あるが、免疫を持つ人は少なく、患者急増の可能性がある。特効薬はなく、対症療法しかないが、アスピリン系解熱剤は避けた方が良い。回復期には軽い運動や理学療法も効果がある。
なお、同様に蚊が媒介するデング熱やジカ熱への注意が必要な事はいうまでもない。いずれの病気も最善の予防策は蚊の幼虫の発生源をなくし、蚊の発生を抑える事だ。
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