【沖縄発】先日那覇市で無事に閉幕した「第6回世界のウチナーンチュ大会」では、前回に比べて県内各地で海外からのウチナーンチュを迎えた盛大な歓迎会がより多く開催された。いわば、地方行政による各地独自の「ウチナーンチュ大会」だ。
中でも宜野湾(ジノーン)市では10月28日に、宜野湾出身者を集めた「世界のジノーンチュ歓迎会」をラグナガーデンホテルで盛大に開催した。主催は宜野湾市(=佐喜眞淳(さきま あつし)市長)。この催しは宜野湾出身のサルサバンド・カチンバが中心となって民謡の演奏やサルサを演奏した。
ハワイ、アメリカ各地、ブラジル、ペルー、アルゼンチン、フランスなどからの出身者を中心に、地元宜野湾市民も含め約300人が出席した。最後は全員が大きな輪となって一緒に踊り交流を深めた。
歓迎会の中では、終戦直後の1948年、沖縄復興のためにハワイの県系人から寄贈された550頭の豚への感謝を込めた歌も紹介された。
この豚の配布は県内各地で抽選されたが、うち1頭は宜野湾市長田区在住の米須清行(こめす・せいこう)さんが見事に当てた。米須さんは「あの豚が我が家にきてくれたおかげで、戦後の貧しい生活を助けてくれた」と感謝し、その気持ちを自らが作詞作曲した沖縄民謡にし、さらにCDまで自主制作した。
そのCDが今回の歓迎会では、ブラジルを含めた海外からの参加者に贈呈された。
米須氏は「今回お会いできた宜野湾出身の皆様が、帰国後も宜野湾市を思い出すきっかけになれば幸いです」と市民代表で挨拶した。戦争を知らない海外からの宜野湾出身者に、戦後の復興に海外からの沖縄県系の支援が大きな力となったことを、自作CDを通して熱く伝えた。
宜野湾以外でも那覇(ナーファンチュ)、糸満(イチマンチュ)、豊見城(トミグスクンチュ)、与那原(ユナバルンチュ)、南風原(ハエバルンチュ)、浦添(ウラシーンチュ)、宜野湾(ジノーンチュ)、西原(ニシハランチュ)、名護(ナゴンチュ)、恩納村(ウンナンチュ)、金武(シマヌチュ)、本部(ムトゥブンチュ)の他多数だ。加えて各離島でも大きな歓迎会が行われた。(翁長巳酉<おなが・みどり>さん通信)