【既報関連】連邦政府と各州知事は22日、政府から各州に53億レアルの財政出動を行うことで合意したと23、24日付現地各紙と同サイトが報じた。
財源には、今年初めから施行され、国外不法資産に恩赦を与えるレパトリアソン(R)法に基づき、隠し資産申告者が連邦政府に支払った罰金が当てられる。
今回の財政出動は、各州が支出削減などの財政調整案を提出する事と、連邦政府が進める社会保障制度改革への協力が条件だ。払い出し期日は各州と政府との交渉の進捗度によって変わり得るが、現時点では12月初旬との説が有力だ。
10月末で締め切られたR法では、申告者は隠し資産合法化のため、資産の15%にあたる税金と、同率の罰金を払わなければならなかった。
連邦政府は当初、税金による収入の一部だけを各州に配分する意向だったが、各州知事は罰金による収入も配分するよう訴えていた。
今回合意が成立した罰金からの分配金は各州で分けるため、8千万レしか受け取れないリオデジャネイロ州は満足していない。大統領の経済政策チームは、今回の分配金では財政状況改善には不十分だという州とは個別に追加措置に関する交渉を行う。
エンリケ・メイレレス財務相は、50億レの財政出動でも、全ての州の財政状況を改善させるには不十分である事を認識しており、「リオ州の状況は教訓的でもある。財政再建の手を打たないと、どの州もリオと同じ境遇に陥る」と語った。
23日には財政協定の細部調整のため、20州の財務代表者と財務省、財務局の担当者との会合が持たれた。
各州政府と財務省の間で交渉が進み、28日に署名を交わす予定の合意書は、連邦政府が成立を目指している歳出上限法をモデルにしている。
財政協定と名づけられた合意書は、R法による収入の半分にあたる、国外不法資産申告者から徴収した罰金の中から、53億レを州政府に分配する交換条件の一つだ。
財政協定の屋台骨の一つでもある〃各州政府の上限法〃の有効期限は10年間で、6年毎の見直しが予定されている。
財政協定案には、各州公務員の給与からの社会保障費負担額を11%から14%に引き上げる事なども含まれる予定だ。ただし、社会保障費の源泉徴収率変更は連邦法の改定が必要となる。
財政危機のため、22日に非常事態宣言を出したリオ・グランデ・ド・スル州のイヴォ・サルトリ知事は、「21日に発表した財政再建案が否定されたら、次善策は存在しない」とし、同州の財政健全化のための改善案を州議会で承認させるべく、決意を示した。
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