24日、サンパウロFCは新監督として、2015年に現役を引退したロジェリオ・セニを迎えることを発表した。
ロジェリオ・セニはサンパウロFCにとっては象徴的なプレイヤーで、選手やファンから絶大な信頼を得ていた。入団からサンパウロ一筋、23年間も同チームの守護神として君臨し、単一チームでの試合出場数は史上1位だ。また、フリー・キックの名手としても知られ、キーパーとしての得点数132点は世界記録だ。
また、クラブ世界一1回、南米王者2回、全国選手権王者3回と、サンパウロFCが重ねてきた輝かしい歴史に何度も貢献。セレソンのメンバーとしても、控えではあったものの、2002年のW杯世界一のメンバーでもあった。
この2年ほど、チームの不振で何度も監督が更迭されてきたサンパウロFC。中には巨額の契約金を積んでお願いした有能な外国人監督もいたが、実を結んでいなかった。だが、この「チームの伝説」を監督として迎えた後に簡単に首を切れば、ファンが黙っているはずがない。ある程度の長期政権は確実だろう。
セニは24日の記者会見で、「サッカーの秘訣は、選手をうまく管理し、彼らと良い関係を保つことだ。変わるか変わらないかは選手次第。選手たちには私が現役のときに見てきたようなサッカー観を持ってもらいたい。チームには勝者になってほしいし、勝者の精神を持ってほしい。もちろん選手たちはそれがわかっていると確信している」と力強く語った。
セニは現役期間中、テレ・サンターナ、パウロ・アウトゥオリ、ムリシー・ラマーリョ、カルロス・アルベルト・パレイラといった、ブラジル・サッカー史に名を残す名将たちのもとでサッカーをやってきたし、長年、主将も務めている。
だが、研究熱心なセニは現役引退後、イギリスに渡り、サッカー指導者になるための講習を受けていた。そこでセニは、ユルゲン・クロップ(リバプール)やホルへ・サンパオリ(セヴィージャ)といった、世界的な名将とも交友を持ち、サッカーに関する意見交換も行っている。
「名選手は必ずしも名監督ならず」の通説はブラジル・サッカー界のみならず、古今東西、様々なスポーツにつきものだ。だが、サンパウロFCの常勝時代を知る闘将セニが、今後どのようなサッカーを見せるかは、サンパウロFCのファンのみならず、ブラジルのサッカーファンが注目するところだ。
今年のブラジル選手権は残り2試合しかないため、年内の試合はリカルド・ゴメス監督の助手を務めていたピンタード氏が采配を振るう。サンパウロFC新監督としてのセニの初舞台は、2017年1月開催のフロリダ・カップとなる予定だ。(25日付フォーリャ紙などより)
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