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「日系社会が日亜の絆の担い手」=安倍首相が亜国を公式訪問=祖父・岸信介以来57年ぶり

壇上で挨拶する安倍首相

壇上で挨拶する安倍首相

 【らぷらた報知24日付けより転載、一部修正】来亜した安倍晋三首相と昭恵夫人の歓迎会が21日午前、首都ブエノスアイレスの在亜沖縄県人連合会(COA)会館で開催された。安倍首相は「2020年のオリンピックを東京に与えてくれた感動の記憶の懐かしい街です。あの時以来もう一度アルゼンチンに、ブエノスアイレスにやって来なければ、とそう思っていました。今日やっと念願がかないました」と喜びを語った。当日集まった約1千人の日系人に感謝の意を表した。

 1959年、安倍首相の祖父・岸信介氏がアルゼンチンを現役首相として公式訪問した。以来、公式訪問は57年ぶり。その際に歓迎式に出席していた仲村実好氏と新里孝徳氏の名をあげ、「57年という時を超えてアルゼンチンに来られたことを感慨深い」と語った。

会場の外でも日系人の声援に手を振って応えた

会場の外でも日系人の声援に手を振って応えた

 日本語教育連合会の石原克己事務局長の貢献をも評価。近年アルゼンチンで日本語を学ぶ若者が増えてきていることをあげ、日本語の普及もまた、日系人の日本文化の継承と普及のおかげだと高く評価した。
 また、当日は隣国の日系社会より代表者がこの歓迎会のために来亜した。ブラジルからは呉屋春美氏、ペルーより国頭ホルヘ氏、メキシコより春日カルロス氏が出席。
 今後5年間の間に約1千人の日系人を日本へ招待することを発表。日系社会こそがアルゼンチンと日本との両国間の絆であると期待した。
 リオデジャネイロ五輪閉会式で扮した人気ゲームキャラクターのマリオに触れ、「日本とはちょうど地球の反対側だが、心は地球を真っ直ぐ貫き、皆さんとつながっている」と絆を訴えた。
 最後に「ムーチャス・グラシアス」とスペイン語で挨拶した。
 また昭恵夫人には花束の贈呈がなされた。そして、和やかな雰囲気の中、当日集まった人を約20人余りに分けて皆と記念撮影をした上、全員と丁寧に握手をして会場を後にした。


昭恵夫人は大統領夫人と歓談=パレルモの日本庭園で

 【らぷらた報知24日付けより転載、一部修正】安倍晋三首相のアルゼンチン訪問に同行した昭恵夫人は21日、COAでの日系社会による歓迎会の後、パレルモの日本庭園で、フリアナ・アワダ大統領夫人との会合を持った。
 11時15分ごろに到着し、まずは2階のサロンでプライベートの懇談の時間を過ごした。
 その後、日本庭園中央にある築山正面のベンチに座り、築山上のステージとその手前の水上ステージで披露された余興を楽しんだ。
 最初にアルゼンチンのフォルクローレ、つぎにブエノスアイレス太鼓による「けんか屋台」、軍楽隊によるピアゾラのリベルタンゴ、最後に子供たちによるボレアドーラとボンボを使ったガウチョの踊りが披露された。
 夫人らは終始笑顔を見せながら、通訳を通さずに英語で楽しそうに時間を共有した。
 次に庭園内の茶室に向かい、メキシコから裏千家の講師、丸岡宗陽先生がお茶をたててもてなした。
 先生手作りの和菓子をまず食べた後、お茶を飲んだ。アワダ夫人は約15分の間の正座も問題なく笑顔で過ごし、日本を代表する茶道の美に大変関心を持っていたようだった。
 会話の内容は分からないが、笑顔や会話の弾んでいる様子から、有意義な時間をすごしたことが伺えた。日亜学院の生徒らが旗をもって歓迎し、最後に同庭園の誇る盆栽の数々を鑑賞した。


□関連コラム□大耳小耳

 安倍首相の亜国公式訪問の写真を提供してくれたのは、兵庫県ブラジル事務所(在クリチーバ)の彌城正嗣所長。たまたまアルゼンチン兵庫県人会の総会が前日20日にあり、県人らに「一緒に行きませんか」と誘われ、歓迎会に参加したとのこと。兵庫県からの出向で駐在中の彌城さんも歓迎会の流れで、最後に首相と記念撮影、握手も。「一人一人全員に丁寧に握手されていたのに感激しました。まさか南米で安倍首相に。日本でもないこと」と破顔一笑した。