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「3%」の配信が開始=ネットフリックス初のブラジル・ドラマ

 現在、全世界で話題を集めている動画配信サービス「ネットフリックス」で25日から、ブラジル初のオリジナル・ドラマ「3%」の配信がはじまり、話題となっている。
 ネットフリックスのオリジナル・ドラマはアメリカでは既にかなりの注目を集めており、同国のテレビ界の権威「エミー賞」でも今や既存の放送局を抑え、ノミネートの多さでトップクラスを誇る勢いになっている。
 ブラジル絡みではこれまで、コロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルの伝記ドラマ「ナルコス」の監督と主役がブラジル人ではあるが、同作はアメリカ製作扱いになるため、ブラジルの製作陣が指揮をとった作品としては、この「3%」が最初となる。
 この「3%」はもともと、3人の大学生が2011年に動画サイトの「ユーチューブ」にあげていた自主制作の短編映画のシリーズが元となっている。
 このドラマは、最近のハリウッドでも主流の、戦争が重なったりして生じる、近未来の絶滅の危機に瀕した状態を描いた「ディストピア」と呼ばれるスタイルだ。
 ドラマで設定された場面はブラジルで、最初の部分でパラー州海岸部の光景が映し出されるものの、どの地域で起きていることかは特定されていない。そこでは水や食べ物も不足し、生きていくためには極限の状態だ。
 この国では成人すれば、十分に豊かな生活が出来るところに行くための選考過程である「プロセッソ」に「応募する権利」を有することができる。だが、「プロセッソ」に行くことのできる人は人口の3%のみに限られ、審査には厳しいテストを受けなければならない・・。
 このドラマを見た感想として、ブラジルの一部メディアは「興味深い内容」としながらも「ハリウッドでのディストピア系の作品と比べると物足りない」など厳しい批評が目立った。
 だが、アメリカを拠点とする映画のデータ・サイト「imdb」の採点の欄では、1065人が鑑賞した結果、10点満点中8・0点と、なかなか好評を得ている。
 ネットフリックス本社も、来年新たなエピソードでの放送をするべく、契約更新を望んでいるとの説も流れ始めている。
 「3%」が成功すれば、テレビ番組制作がグローボ局の独占の状況になりやすいブラジルの問題点が緩和され、より自由な競争形態が生まれるだけに、今後に注目したいところだ。
 なお、ネットフリックスのオリジナル・ドラマは基本的に全世界配信なので、日本でも字幕つきで見ることは可能だ。(Veja誌サイトなどより)