27日、サッカー全国選手権で、パルメイラスが22年ぶりの9回目の優勝を飾り、サポーターは歓喜の涙を流したと28日付伯字紙が報じた。
サンパウロ市西部にある本拠地アリアンツ・パルケでの対シャペコエンセ戦は、1―0でリードしたまま終了したが、その10分ほど前から異様なムードに包まれた。優勝を確信した観客の目に涙が溢れはじめたのだ。
後半44分過ぎ、優勝を争っていたサントスがフラメンゴに0―2で敗戦との報が入った時点で優勝が決定し、選手たちは一斉に泣き崩れた。
ここでクッカ監督は、サプライズでキーパーのフェルナンド・プラスを交代出場させた。シーズン前半の活躍が認められ、38歳でリオ五輪に異例の召集をされたものの、右ひじの骨折で大会前から戦列を離れていたベテランを最後にグラウンドに戻すという粋なはからいで、スタジアムは大いに盛り上がり、その後の祝祭に花を添えた。
今季は序盤から快調に勝利を重ねての優勝だったが、その道のりは決して平坦なものではなかった。これまで国内最多タイの全国選手権8度優勝の名門ながら、全国選手権制覇は1994年が最後。99年に南米王者に輝いて以降、成績は下降する一方だった。サンパウロFCやコリンチャンスといった市内のライバルが華々しい成績をあげる中、2002年と2012年の2度、2部降格も経験した。
パルメイラス再建は、2013年のパウロ・ノブレ氏の会長就任から始まった。転機となったのは、2014年末、2013、14年と連続でクルゼイロを全国選手権制覇に導いたアレッシャンドレ・マトス氏をサッカー部門のディレクターに迎えたことだった。
マトス氏のもと、パルメイラスはかつてのセレソン主力のゼー・ロベルトらのベテランや、有望な若手選手など、大量の移籍契約を行った。そこに下部組織から久々の大物、ガブリエル・ジェズスも加わり、15年にはブラジル杯を制すなど、着実に力をつけていた。
そして16年、13年にアトレチコ・ミネイロを南米一に導いたクッカ氏を監督に迎えると、ここ数年の改革が化学反応にも似た上昇連鎖を生み、9度目の栄冠へとつながった。
既にセレソンの主力にもなったジェズスは今年限りで欧州に移籍し、1年契約のクッカ監督の去就も微妙な中だが、積極的な改革を続ける新生パルメイラスにとっての新黄金時代幕開けとなるか?
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