12年5月19日に起きた食品会社「与喜」御曹司マルコス・キタノ・マツナガ氏のバラバラ殺人事件で、エリーゼ・マツナガ被告(34)の陪審裁判が28日朝から始まったと同日付G1サイトなどが報じた。
エリーゼ被告はマルコス氏をサンパウロ市西部ヴィラ・レオポルジーナの自宅で殺し、遺体をバラバラにした後、大サンパウロ市圏コチア市を通る街道沿いの雑木林に放棄した。5月21日に遺体の一部が発見された事で具体的な捜査が始まり、6月6日に逮捕されたエリーザ被告が同月8日に犯行を認めた。
検死では、遺体を切断し始めた時、マルコス氏はまだ生きていた可能性があると指摘され、検察は些細な理由で夫を銃殺し、死体を切断、遺棄した冷酷な事件として同被告を起訴した。
一方、弁護人は、遺体切断時、被害者は死亡していたと主張。マルコス氏が浮気していた証拠を掴んだ被告が被害者と口論中に顔を殴られ、逆上して銃殺した事や、マルコス氏は日頃から同被告を虐待していた上に、離婚や一人娘の養育権を取り上げる事を考えていると聞いて同被告が絶望して、遺体を切断して捨てようと思いたった事などを、刑の軽減の理由としようとしている。
マルコス氏は銃マニアで、被告にも銃撃を習わせていた。自宅からは彼女名義の銃4丁を含む、33丁の銃と40キロの銃弾が見つかった。
陪審裁判は民間から選ばれた陪審員7人(男性3人、女性4人)列席の中、サンパウロ市バラ・フンダで行われ、検察側と弁護側が供述を行った後、質疑などを経て判決に至る。結審までは最大5日かかる見込みだ。