ジウマ前大統領罷免の決め手となった嘆願書の作成者のひとりで法学者のエーリオ・ビクード氏が、ミシェル・テメル大統領に対する罷免の動きを支援する意向を表明したと29日付エスタード紙が報じている。
社会自由党(PSOL)は、ジェデル・ヴィエイラ・リマ前大統領府総務室長官の利権が絡む物件建設を国立歴史美術遺産院に認めさせるよう、テメル大統領が強要したとのマルセロ・カレロ前文化相の供述を重視し、28日に大統領罷免請求を出した。
これを受け、ビクード氏は罷免への動きを支援する意向を表明した。同氏は昨年、ミゲル・レアレ元法相やジャナイーナ・パスコアル弁護士と共にジウマ前大統領の罷免嘆願書を作成した。
ビクード氏は05年まで労働者党(PT)に在籍していたが、メンサロン事件発覚後、党の腐敗を嘆いて離脱。その後は同党のジウマ氏罷免を後押ししたが、今回は「ブラジルの民主主義はジウマ氏罷免で傷ついており、テメル氏を現職に止めておく必要はない。彼にも非がある事は皆が知っている」と語っている。
PTの上院議員らも他党議員らと共に、2通目のテメル大統領の罷免請求を出すべく画策中だ。
また、左翼系の社会活動団体も、裏金への恩赦問題でテメル氏が弁を翻せば罷免を呼びかける意向を表明済みで、12月4日には恩赦問題に関するデモを計画している。