宗教法人GLAブラジル支部(尾田嘉雄理事長)は20日、サンパウロ市リベルダーデ区のFECAP劇場で『高橋佳子講演会映像の集い』を開催した。「運命の逆転」と題して日本で行われた講演の様子が音声ポ語訳付きで上映され、日系・非日系を問わず約300人が、熱心に耳を傾けた。
GLAの高橋佳子主宰は、年齢層別や専門分野別にセミナーや講演会を開き、「魂の学」という考え方によって、人生・家庭や職場・地域や社会を現実的に変えてゆくことを説いている。
同氏の講演は毎回、会員の一人を登壇させ、体験談を実践報告として紹介するのが特徴。今回は東京の訪問介護ステーションで所長を務める看護師、江川恵子さんが登壇した。
長崎県西彼諸島の一つ、池島出身の江川さん。4歳の時に父親を亡くして母子家庭となり、生活が大きく変わった。高校卒業後は家計を助けるために就職したが「血の通う仕事がしたい」と名古屋へ出て、働きながら看護学校へ通い、資格を取った。
主宰との出会いをきっかけに、同氏が提唱する「地域に密着した包括医療」を実現させたいと、自ら訪問看護ステーションを設立した。現在は認知症予防の食事、運動、睡眠の改善などを提案するカフェを開くなど、専門誌で取り上げられるほどの成果を上げている。
江川さんの実例を通し、高橋主宰は「ハードルが高すぎると、出来ない言い訳ばかりが出てくる。まずは出来るのにやらないことを実行に移す。その積み重ねで出来ることは増えていき、目標の達成に近づく。一つ一つ実現させる道のりが運命を変える」と説いた。
サンパウロ州カラピクイバ市在住の姉妹アマラ・デ・ファッチマ・ダ・アルメイダさん(53)とマリア・デ・ルーディスさん(52)は4回目の参加。高橋氏の著書『祈りのみち』ポ語版を読んで感銘を受けたという。「今回の講演も素晴らしかった。自分も実践していきたい」と思いを新たにした。
講演に先立ってGLA会員で弁護士の二宮正人さんがあいさつに立ち、先ごろ名古屋市で行われたGLA中京会館開所式の様子を語った。また講演後には尾田理事長が「魂の学を学ぶ場にも参加してほしい」と活動をアピール。その後はサロンで軽食と飲み物を口にしながら、閑談のひと時を過ごした。