次世代の農業リーダー育成を目指し兵庫県が実施する、第38回若手地域農業リーダー育成研修制度で、県内の農業高校、大学に通う学生13人が11月12~22日まで滞伯した。
サンパウロ州マリリア、ポンペイア、パラナ州マリンガ、アプカラナ、クリチバを訪問。各地農場の視察や日系団体との交流、大学の農場、農学部訪問を通じ知見を広げた。
共に畜産業を学ぶ吉田海さん(19)=県立農業大学校2年=と、鬼丸琴音さん(15)=県立播磨農業高校1年=は、マリリアの広大なジュカ牧場で見た牛の放牧風景が印象に残ったという。鬼丸さんは「牛にストレスを与えない放牧環境を日本でも取り入れるようにしたい」と、飼育法のヒントを得たようだ。
吉田さんは「畜産だけでなく、花や植物など最低限でも多様な知識の必要性を感じた。これを機にブラジルだけでなく多くの国の農業について知りたい」と意気込んだ。
「マリンガの大きなバラ農場が印象に残っている」と話したのは県立農業高校園芸科2年の井川里帆さん(17)。「ブラジルは天然温室と呼ばれている。そんな国の農場を実際に視察でき嬉しかった」と振り返った。
団長の橘田達慶さん(56)=県立農業大学校副校長=は「連日遅寝早起きの中、眠い目をこすりついてきてくれた。二国間の違い、また外から日本の農業を見る新しい視点を養ってほしい」と期待した。
20日には兵庫県人会(松下瞳マルリ会長)の歓迎交流会に出席。滞在中にはサンパウロ大学農学部の授業や、移民史料館を見学し、充実した日程をこなして帰国した。