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シャペコエンセ=世界中で哀悼と連帯感=「ブラジルのレスター」とも=選手貸出で再建協力提案も

本拠地コンダー・アリーナで悲しみにくれるファン(Ralph Quevedo Sentinela24h)

本拠地コンダー・アリーナで悲しみにくれるファン(Ralph Quevedo Sentinela24h)

 ブラジリア時間11月29日未明にコロンビアで起きた、サッカー・クラブ、シャペコエンセの選手19人を含む71人が死亡した飛行機事故は世界中に衝撃を与えたが、国内外でシャペコエンセに対して連帯を呼びかける動きが出ている。11月30日付伯字紙が報じている。
 今回の事故では、乗客68人、乗員9人の77人の搭乗者の内、71人が死亡。死者の内訳は選手19人、チーム関係者24人、スポーツ記者20人、乗員7人、整備士1人。生存者は選手3人と記者1人、乗員2人。ルシアノ・ブリゴン市長やシャペコエンセの経営審議会副議長、州議会議長、記者1人の4人は搭乗していなかった。
 また、命を取り留めた3選手もそれぞれ片足切断、脊髄損傷、頭蓋骨陥没の重症を負い、その後の選手生命は絶望的な状況に置かれている。
 今回の大惨事では、この惨状と共に、チームの背景にあったドラマ性が悲しみに拍車をかけている。食肉産業を基幹とした人口20万人ほどのサンタカタリーナ州の小さな町のチームは、この10年足らずで急速に強くなり、トーナメントの決勝に勝てば悲願のリベルタドーレス杯に出場できるところまで来ていた。
 欧米メディアはこの話を、15―16年シーズンのイングランド・プレミア・リーグで番狂わせを起こして優勝したチームと比較して「ブラジルのレスター」と呼び、それが国際的注目度を高める一因にもなった。
 国内外ではシャペコエンセへの連帯を呼びかける声も高まっており、スル・アメリカーナ杯決勝で対戦するはずだったコロンビアのアトレチコ・ナシオナルは「シャペコエンセを勝者にしてほしい」と願い出ている。
 また、大半の選手を事故で失ったシャペコエンセと最後に対戦したパルメイラスは、11日に予定されている全国選手権最終節にシャペコエンセのユニフォームで出場することを希望している。さらに、同チームやフラメンゴ、グレミオなどの全国選手権1部のチームは、シャペコエンセへ選手を無償で貸し出すことも提案している。
 世界を代表する名サッカー選手からも弔辞が相次いだ。その中にはペレやマラドーナなどの名前もあった。また、アルゼンチンのオベリスクやパリのエッフェル塔といった名所がチームカラーの緑の光に彩られ、欧州でこの日に行われた試合では黙祷が捧げられた。
 11月29日夜、シャペコエンセの本拠地コンダー・アリーナではシャペコー市民が自主的に集まって追悼のときが持たれ、涙と祈りと叫びで悲しみを表した。翌30日には、同日夜、公式の追悼式開催と発表された。