「作品集を出すことが夫の夢でした」――画家の中島岩雄さん(1934―2011年、愛知県出身)の初画集(日ポ両語)を、妻・寿美子さん(75、二世)が出版し、12月3日午前11時からサンパウロ市近郊エンブー市のメストレ・アシス文化センターで刊行記念会を開催することになった。
群馬県生まれで、愛知県で育った岩雄さん。名古屋で陶器絵付けの仕事をしていたが、ブラジルの陶器会社から技術者として呼び寄せられて1956年に移住。ところが3年ほどで倒産し、1962、3年から独学で絵を描きはじめた。1977年からエンブーにアトリエをかまえ、30年前からプロとして活動していた。
鮮やかな色調の田舎町の風景に、抽象的な人物が生き生きと描かれた作風は、独特のブラジル民俗調に溢れている。2004年に第55回サンパウロ風景画サロンで金賞、2005年には第63回パウリスタ美術協会(APBA)自由サロンで金賞などいくつもの受賞。
寿美子さんは「自分の作品を本にまとめることが夫の念願でしたが、突然なくなったので叶いませんでした」と語り、その志を酌んで今回の出版を実現させた。「主要な約80点が収められている画集を、ぜひ手にとって見てください」と呼びかけた。【会場】Centro Cultural Mestre Assis do Emvu, Sala Ana Moyses, Largo 21 de Abril, 29 Centro Historico Embu das Artes
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