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トラパリョンエスが復活へ=70~80年代に一世を風靡したお笑いグループ

 70~80年代にブラジルのお笑い界で一世を風靡したコメディ・グループ「オス・トラパリョンエス」が復活する模様だ。
 トラパリョンエスは、1966年にリーダーの「ジジ」ことレナト・アラゴンを中心に結成されたコメディ・グループで、当初は相方のデデーとの2人組だった。人気に本格的に火がつき始めたのは、目を大きく見開いた笑顔がきわだつ黒人のムッスム、はげ隠しのかつらがトレードマークのザカリアスが正式加入した1977年からで、このときにはじまった最大手局での日曜のレギュラーのバラエティ番組が大ヒット。それ以降、年に2作のペースで主演映画が作られた。
 トラパリョンエスの映画のピークは80年代前半で、ブラジルの映画興行成績の年間ベストで常にトップ争いをするほどの大人気となっていた。日本で喩えて言うなら、ドリフターズと寅さんが一緒になったような感じだろうか。
 しかし、1990年にザカリアスが急死したことでグループとしての活動が滞りはじめ、94年にはムッスムが病死。97年にはジジとデデーが6年ぶりにトラパリョンエスの映画を作ったが、99年の作品を最後に活動は休止。以後は、グローボ局でジジのレギュラー番組が続いていたのみだった。
 だが1日、ジジはサンパウロ市で開催されたナルド(オタク)の祭典「コミコン・エクスペリエンス」で、「近々、トラパリョンエスが復活する」と宣言。メンバーに関しても、「僕とデデー、あと新しいメンバーが4人入るんだ」と続けた。また、「新メンバーはムッスムとザカリアスの真似事をするだけじゃないんだ」と、今後の意気込みまで語った。
 新メンバーが誰かは明らかにされていないが、トラパリョンエスとしての最新映画公開は来年の1月19日に決まっている、このコミコンで披露された予告トレイラーも好評を博している。
 また、日時は決まっていないが、グローボ局でもトラパリョンエスのレギュラー番組が復活するという噂もある。
 ここ数年のブラジルはお笑いブームだが、過去の芸人へのリスペクトも強まっている。トラパリョンエスと人気を2分し、2012年に亡くなったコメディアン、シコ・アニージオの得意ネタ「ライムンド先生」は若手コメディアンにリメイクされ、好評だ。トラパリョンエスでも、ムッスムの笑顔が一時期、ビールの商標となって大ヒットを記録するなど、こちらもリバイバルの兆しを見せていた。
 また、現在81歳のジジが、高齢となった現在、どういうトラパリョンエスを見せていくのかにも期待がかかる。(1日付フォーリャ紙サイトなどより)