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第3四半期もGDPが縮小=基本金利期待ほど下がらず

 11月30日に地理統計院(IBGE)が第3四半期の国内総生産(GDP)は前四半期比0・8%縮小したと発表したが、同日夜、中銀通貨政策委員会が発表した経済基本金利(Selic)引下げ幅は0・25%ポイントに止まったと1日付現地紙が報じた。
 第3四半期のGDPが7四半期連続で縮小した事と、縮小幅が前四半期の0・4%より拡大した事は、リセッション(景気後退)からの回復が遅れている証拠だ。前四半期に1・2%と0・5%成長した工業生産と投資が、1・3%と3・1%縮小した影響が特に大きい。投資のGDP比16・5%は、03年の16・3%に次ぐ低率だ。
 今回の発表後、市場関係者達は、景気後退は予想以上に長引くと判断。25の金融機関が出した17年のGDPの予想成長率の平均は、8月時点の1・5%から0・7%に下方修正された。
 現在の景気後退は正式には15年から始まっているが、実質的な始まりは14年第2四半期とされる。不況長期化とそれに伴う失業率上昇や購買力低下は、公共支出や家庭消費の低迷に繋がり、景気回復をより緩慢にさせている。
 GDPの回復が予想より遅れる中、消費や投資の拡大に繋がると期待されていたのが経済基本金利の引下げだが、通貨政策委員会は11月30日に、同金利を0・25%ポイント下げ、13・75%とする事を決めた。
 市場関係者は、失業者増加の中でも家庭消費が余り落ちていないのは就労者の所得があまり落ち込んでいないからだが、景気回復のためには、物価が落ち着き出した今こそ、0・5%ポイント下げるべきと考えていた。
 だが、委員会側は、財政調整法案の審議が遅れている事、米国次期大統領にドナルド・トランプ氏が選ばれた後にドル高が進んだ事、米国の金利政策が不透明である事などがインフレ圧力となると懸念、基本金利の下げ幅を抑えたという。