ブラジル鳥取県人会(本橋幹久会長)は、県費留学・技術研修制度50周年記念事業として、『母県若人と元留学生・研修員との交流事業』を行った。元留学生・研修生が中心になって費用を負担して招聘し、母県の若人に県人会活動の現状を理解してもらうことを目的とした事業だ。
招聘されたのは田村彰彦さん(40)=新日本海新聞社=と、渡邉将史さん(34)=日本海テレビジョン放送=の2人。県人会や元留学生・研修生との交流を通じて理解を深めたほか、移民関連施設や移住地訪問など約2週間(11月16日~29日)に及ぶ滞伯を終え、本紙に報告に訪れた。
印象に残っている点を聞くと、2人とも第2アリアンサ移住地(鳥取村)を挙げた。田村さんは「開拓当時の様子を生の言葉で聞けた」と語り、入植当初の家を訪問するなど、開拓時代の名残を感じたようだ。
渡邉さんは、「母県から日本語教師が派遣されているが、いつまで日本語が残るのか。以前に比べ学習者が減ってきていると感じた」と話す一方、「鳥取出身者は現在3家族しかいないが、その他の家族も鳥取に親近感を寄せ、村を守ろうとしていた」と現状を見ている。
また、元留学生・研修生との交流について、渡邉さんは、「日本では祖父母のルーツを辿りたいとを感じる人は少ない。そんななか、家族の繋がりを大事にしている」と感じたと語り、田村さんは「来伯前はどれだけ効果があるのか疑問があった。でも、日本で学んだことを活かして開業したり、薄れゆく日本語の復活にも繋がっている」と制度の意義を実感したようだ。
帰国後は、各々が報道を通じて母県の人へと伝えてゆく。二人は「大変温かく迎えて頂いた。ブラジルに鳥取のことを強く思う人がいることをしっかり伝えたい」と意気込みを語った。
タグ:県人会