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シャペコエンセ=スタジアムで合同葬開催=大統領、FIFA会長も出席=大雨の中、市民が別れ惜しむ

3日、アレーナ・コンダーでチーム合同の追悼式が行われた(Beto Barata/PR)

3日、アレーナ・コンダーでチーム合同の追悼式が行われた(Beto Barata/PR)

 11月末コロンビア、メデリン近郊で起きた搭乗機墜落事故で死亡した、サッカーチーム、シャペコエンセの選手たちの遺体が今月の3日、サンタカタリーナ州シャペコー市に搬送され、ホームスタジアム、アレーナ・コンダーで追悼式典が行われたと、4、5日付現地紙・サイトが報じた。
 この事故では、選手19人、監督1人、チーム関係者24人、報道関係者20人、乗組員7人の合わせて71人が死亡した。選手3人、報道関係者1人、乗組員2人の合わせて6人は命を取りとめた。
 シャペコー市に搬送された50人の遺体は、空港で軍の儀礼にのっとり迎えられた。棺はその後トレーラーに乗せられ、スタジアムへ向かった。強い雨にもかかわらず、沿道には多くの市民が詰めかけ、変わり果てた姿の選手たちに泣きながら悔やみの言葉をかけた。
 大雨のため、スタジアムの観客席には若干の空席が見られた。フィールドにはテントが張られ、遺族、チーム関係者、シャペコー市長、ミシェル・テメル大統領、インファンティーノ国際サッカー連盟(FIFA)会長、セレソンのチッチ監督ら臨席の下、追悼集会が行われた。
 テメル大統領は当初、議会の汚職防止法への対応に憤る市民による野次発生を懸念し、空港での式典にのみ出席する意向だったが、批判の声が高まり、スタジアムでの追悼式典にも出席した。当日は、野次は起きなかったが、大統領は式典で挨拶を避けた。
 兵士たちに担がれ、場内を進む選手たちの棺にはスタンドから拍手と声援が飛んだが、多くの人はあふれる涙をこらえきれない様子だった。式典前日、インタビューの最中に「あなたたちも大切な仕事仲間を失ったんでしょう?」とレポーターに声をかけて抱擁した、犠牲になった選手の一人ダニーロの母、イライデス・パジーリャさんが姿を現すと、スタンドからの激励の声は一層大きくなった。
 最後に遺族が遺影やユニフォームを掲げて場内を一周すると、感情がさらに高まったファンたちが、泣きながら選手たちの名を叫んだ。
 シャペコー市と直接のかかわりのない報道関係者らの遺体はリオやサンパウロなど、それぞれの居住地や故郷に運ばれ、葬儀が行われた。
 チーム合同の追悼式典の翌4日、選手たちの遺体もそれぞれの故郷に運ばれ、友人家族らとの別れの時が持たれた。
 また、サンパウロFCやパルメイラス、コリンチャンス、サントスFCのサンパウロ州主要4チームの応援団〃オルガニザーダ〃は4日午後、パカエンブー競技場前広場に集って異例の合同シャペコエンセ追悼集会を開いた。
 5日午後、南米サッカー連盟がシャペコエンセをスル・アメリカーナ杯優勝とすると公式に発表した。