ペトロブラス(PB)社は5日、ガソリンとディーゼルの製油所出口価格を、平均で8・1%と9・5%値上げする事を決め、6日から実施したと6日付伯字紙が報じた。
ペトロブラスは市場の動きを見ながら、最低でも30日に1度の小刻みな価格調整を行うと発表していた。今回の価格調整は3度目になる。10月と11月に行われた最初の2回は燃料価格が値下がりしたが、今回は値上げとなった。ガソリン値上げは2015年10月以降、初めてだ。
PBは、調整幅が消費者価格にそのまま反映されると、ガソリンはリットル当り0・12レアル、ディーゼルは同0・17レアル値上がりと見ている。
ただ、11月8日の調整ではガソリンとディーゼルの出口価格が3・1%と10・4%値下げされたのに、ガソリンに混ぜるエタノール価格が高止まりした事などで、消費者には実質的な恩恵が届かなかったため、今回の値上げがどの位の幅で消費者価格に反映されるかは不透明だ。
11月8日の価格調整後は、米国大統領選でドナルド・トランプ氏が当選した時点で、為替相場が大きく変動し、燃料費も値上がりすると予想されていた。
また、2度の値下げで国内でのペトロブラスのシェアが回復し始めた事と、11月30日に石油輸出国機構(OPEC)が減産合意を発表して以来、原油やその派生品の国際価格が上昇し始めた事も、今回の値上げに繋がった。
燃料価格の値上げは主要なインフレ要因の一つでもあるため、沈静化に向かっていたインフレが今後どのような動きを見せるかにも注目する必要がある。