国際機関の経済開発協力機構(OECD)が6日に発表した学習到達度調査(PISA)において、ブラジルは前回に引き続き低迷したと、7日付現地紙が報じた。
世界70の国と地域の15歳から16歳を対象に、数学、読解力、科学の3分野を調べたもので、ブラジルは全国の高校の78%にあたる841校から、総勢2万3千人の生徒がテストを受けた。
この調査は3年ごとに行われる。2000年から09年にかけて記録した若干の上昇傾向は、15年には下降した。
数学は平均490点のところを377点で、全体の65位、科学は平均493点に対し401点で63位、読解力は平均493点に対し407点で59位だった。
この結果は、ブラジルでは、多くの生徒は基本的な計算ができず、文章を読み解く力に欠け、科学的な問題を解決する力もないことを意味する。特に数学では、70%以上の生徒が、日常生活に必要な最低限の基礎的知識さえ身についていないと判断された。
メンドンサ・フィリョ教育相は、今回の結果を「悲惨なもの」だと表現し、過去12年間の教育予算が430億レアルから1300億レアルへと3倍以上に増えているのに、結果に結びついていないのは「(教育政策において)何かが間違っている証拠だ」と語った。
次回の試験は3年後、2018年に行われる。同相は、「識字率向上」「教師育成」「全国共通教育基礎課程(BNCC)の作成」「中等教育改革」の四つを柱に、建て直しを図っていくとした。
社会運動「全てを教育のため」(TPE)会長のプリシラ・クルス氏は、「教員の待遇を改善しない限り改善のチャンスはない」と語る。
また別の団体「教育を受ける権利、国民運動」のダニエル・カーラ氏は、「歳出上限法によって教育予算が削減されれば、次回の調査結果が心配だ」とした。
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