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アウキミン=サンパウロ州知事選で不正献金か?=オデブレヒトのデラソンで=側近介して現金受取とも=過去の州内事業でも疑惑

不正献金の疑惑が浮上したアウキミン知事(Alckmin 45)

不正献金の疑惑が浮上したアウキミン知事(Alckmin 45)

 ラヴァ・ジャット作戦での主要汚職企業のひとつ、建設大手のオデブレヒト社が会社単位で行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で、同社がジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)に2010年と14年に不正献金を行っていたと証言していたことがわかった。9日付フォーリャ紙が報じている。

 アウキミン氏に関する証言を行ったとされるのは、同社サンパウロ州支部元理事のカルロス・アルマンド・パスコアル(CAP)氏で、2010年と14年のサンパウロ州知事選でアウキミン氏に不正献金を行ったという。
 10年選挙での献金分は明らかにされていて、その額は200万レアルだったという。献金は、アウキミン氏のルー夫人の兄弟にあたるアデマール・リベイロ氏を通じて現金で支払ったという。
 14年の献金額は明らかにされていないが、受け取ったのは、同年選挙の選挙参謀で、現在はサンパウロ州計画局長をつとめるマルコス・モンテイロ氏だったという。
 アウキミン氏が10年と14年の選挙で届け出ていた献金は、PSDBサンパウロ州支部と関係の深いブラスケン社のみとなっており、2010年は10万レアル、14年は20万レアルの合法的な献金を受けたとしていた。
 アウキミン氏の名前がオデブレヒトとの不正絡みで出てきたのはこれが初めてではない。先週発売のヴェージャ誌は、オデブレヒトの賄賂表に、アウキミン氏が「サント」という名前で記されていると報じている。その名が出てきたのは、2002年のモジ~ヅットラ街道の複線化工事計画の賄賂分配表だったという。当時、アウキミン氏は病死したマリオ・コーヴァス氏に代わり、副知事から知事に昇格して間もない頃だ。
 また、同社がサンパウロ市地下鉄4号線の工事を行っていた際の責任者であったマルセロ・ペレグリーノ氏は2004年のメールで、「当地での利益のため、キャンペーンに50万レアル払わなければならない」と記述し、受取人は「サント」だったと供述している。
 この報道を受け、アウキミンサンパウロ州知事は文書で見解を述べた。それによると「(きちんと承認されていない状態で)漏れた情報だけで判断を行うのは時期尚早だ」とし、ヴェージャの記事に関しても、「ラヴァ・ジャットの資料として押収された、02年や04年の出来事に関する書類に名前が出てきたのなら、10年や14年の選挙での不正献金とつながりようがない」とも語った。
 前述のCAP氏は、やはりサンパウロ州のPSDBの大物のジョゼ・セーラ現外相が10年の大統領選に出馬した際、2300万レアルの不正献金を行ったとも語っている。
 同社役員たちの供述には、テメル大統領や、先日辞任したばかりのジェデル・ヴィエラ・リマ前大統領府総務室長、ルーラ元大統領、ギド・マンテガ元財相などの名前も出てきている。