リオ市長のエドゥアルド・パエス氏(民主運動党・PMDB)の資産が9日、リオ司法当局により凍結されたと、10日付現地紙サイトが報じている。
リオ州検察は、同市長とフィオーリ不動産開発社(FEI)に対し、リオ五輪の会場であるゴルフ場建設に関連して、不正行政と公庫への損害を理由として、民事訴訟を起こしていた。
パエス市長は2013年、ゴルフ場建設を担当したFEIに対し、186万レアル(インフレ調整後の現在の価値で239万レアル)の環境税の支払いを免除したと検察側から指摘されており、FEIも、同様に資産凍結処分を下された。
6万1千平方メートルの用地整備が起こす環境破壊への埋め合わせとしての環境税の支払いは、リオ市の条例で定められているが、FEIは、環境税を支払うと工事の経費が膨らみ、赤字になるとして免除を要請した。
パエス市長はこの要請を受け、FEIの支払いを免除し、市役所が肩代わりすることを決めた。
フェルナンド・ジオニジオ検事は、環境税免除は違法と指摘。「税金を支払ったせいで本当に赤字となったことが提示された時点で、リオ市がその分を払い戻すなどの手段で埋め合わせをすることは可能だったはずだ」としている。
資産凍結を命じたレオナルド・シャベス判事は、「市長は環境局の度重なる進言を無視し、不正行政によって、市の財政に損害を与えた」としている。
判事はパエス市長の任期が今年限りで、来年から米国に住む予定である事を理由にあげ、資産凍結を正当化した。
同市長は来年、コロンビア大客員教授に就任する予定だが、州知事選出馬のため、18年には帰国すると見られている。
パエス市長は書面で、「検察側の見解とは異なり、リオ市はゴルフ場建設許可を出す際に、FEIに対して、環境税を支払うように要求している」と発表し、控訴する意向を示している。