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東西南北

 週末は、オデブレヒト社幹部の報奨付供述(デラソン)がヴェージャ誌にリークされ、ブラジルに激震が走った。もっともこれは情報が漏れたのであり、公式発表ではなかったため、連邦検察庁は怒り、ロドリゴ・ジャノー長官は誰が洩らしたかの調査を求めている。それにしても驚かされるのは、オデブレヒト側が政治家たちに撒いた賄賂の額の大きさだ。彼らからしたら「政治家に求められた」のかもしれないが、何千万レアル単位での贈賄例を立て続けに耳にすると、「そうした金を多くの政治家たちにちらつかせて商売するとは何事か」とも思えてしまう。今後、不正を繰り返さないため、しっかり制裁した方が良いのでは。
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 今回のデラソンで判明した件で興味深いのは、オデブレヒト内で使われた政治家たちの暗号化された愛称だ。ジュカー上議は「カジュー」と逆さ言葉で果樹の名前になり、エウニーシオ上議は血筋からか「インディオ」、アパート問題で話題になったジェデル氏は「バベル(塔)」、サッカー・ファンのロドリゴ・マイア下院議長は「ボタフォゴ」。酷いのは、リジセ・ダ・マタ上議の「フェイア(ブス)」。極めて失礼な愛称が公表され、本人も傷ついたのでは。
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 ダッタフォーリャの世論調査では、経済回復のための「苦い薬」を飲むのを嫌がる国民がテメル政権支持を嫌う側面も感じられるが、ルーラ政権の頃と経済状況はあまりに違う。経済を崩した遠因が同政権にあることを忘れてはならない。一方、1割未満とはいえ「軍政復古」を求める声も増えてきている。国民ももっと冷静に考える時では。