学校法人「日本力行会」(村上悦榮(えつえ)理事長)創立120周年記念式典、りっこう幼稚園開園70周年記念式典が11月23日、同幼稚園内礼拝堂で開催された。式典には小池百合子東京都知事をはじめブラジル力行会の岡崎祐三会長などが来賓として訪れ、来場者約100人と共に盛大に祝った。
日本力行会は島貫兵太夫氏により、貧窮の中に将来の大成を夢見る苦学生を助け、海外発展運動を掲げる民間団体として1897年に創立された。日本の国策移民に貢献、主に北南米などに移民を送った。
式典は午前11時に始まった。日本力行会の村上理事長が同会の歴史を振り返りつつ、来場客に感謝を述べ、「日本人移民の多くが力行会の出身だが、とくにブラジルのアリアンサ支部は入植者の窓口となった。さらに来年9月にブラジル力行会は百周年を迎える。大変喜ばしいこと。これからも各国の留学生の受け入れやりっこう幼稚園でキリスト教の奉仕の精神を持った人間育成をしていきたい」と意気込み開会挨拶とした。
その後に記念礼拝となり、尾山清仁牧師が先立ち力行奮闘の歌斉唱、講話「新しい時代に向かって 共生と変革を目指し」を披露した。
弦楽器奏者ニコロ・パガニーニが演奏中、ヴァイオリンの弦が次々に切れ、最後に残った一本で曲を最後まで弾ききったという逸話等を例に、「困難や友情で自身の変革を重ね、これからの新時代を発展させよ」と鼓舞した。また、今年の逝去者の名前が読み上げられ、会場全体で賛美歌と祈祷が捧げられた。
来賓のブラジル力行会の岡崎祐三会長は、「海外在住の力行会員にとって、日本本部の現状や発展を知ることは喜び。海外力行会と日本力行会が互いに刺激し合い両会の発展に繋げたい」と海外と日本の力行会の協力関係を期待した。
閉会後は集合写真撮影が行われ、力行会館の国際館地下ホールで懇親会が開かれた。
来賓祝辞を述べた小池都知事は、「いつの間にか東京都知事になっておりました小池百合子と申します」と自己紹介し会場から笑いを誘った。
「五輪の時期には1カ月に二回も訪伯できた。五輪ではブラジル日系人の支援もあり、日本人選手も同胞の存在を喜んでいた。遠い国でも日本文化や思想が普及されていることに感動」と日伯の繋がりを強調。「力行会の今後益々の発展を願っている」と祝いの言葉を述べた。
その後、ブラジル西村俊冶技術財団の西村治郎会長が乾杯の音頭を取り和やかな交流の場となった。懇親会では記念演奏として和楽器奏者の松浪千紫さん、ブラジル人尺八奏者の渕上ラファエル広志さんが共演した。
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