ミシェル・テメル大統領(民主運動党・PMDB)は12日、自らへの疑惑も言及されたオデブレヒト社(以下、O社)元役員によるラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を強く批判する文書を公表した。また同日、レナン・カリェイロス上院議長(PMDB)が連邦検察庁から、ルーラ元大統領(労働者党・PT)が連邦警察から告発を受けた。13日付現地紙が報じている。
テメル大統領は13日、アレッシャンドレ・デ・モラエス法相を通じてO社元役員の供述が意図的に漏れているとの不満をロドリゴ・ジャノー検察庁長官に伝えた上、グラセ・メンドンサ総弁護庁長官を介して、同社の供述を可及的速やかにまとめ、完全な形で公表するよう求める文書を手渡した。
大統領はデラソンの漏洩は「違法」と切り捨て、「この経済と社会の混乱期に、政府への不信感と不安定な印象を植えつけ、政局運営を妨害しようとしている」と強く批判した。
この漏洩は検察庁でも認められたものではないため、ジャノー長官もどう漏れたかの捜査を開始したが、テメル氏は「一刻も早い、透明性のある解決を求めたい」としている。
O社は77人の現・元役員がデラソンを行うことで連邦検察庁と合意している。その最初に応じた元理事のクラウジオ・メロ・フィーリョ氏のデラソンが漏れただけで、政界が騒然となった。
元理事はデラソンの中で、テメル氏は「14年の選挙時に、マルセロ・オデブレヒト(当時)社長に、PMDBに1千万レアルの賄賂を要求した」と言及した。エリゼウ・パジーリャ官房長官やPMDB党首のロメロ・ジュカー上議ら、PMDBの政府官僚や議会の大物政治家の名前も多数挙がった。
一方、ジャノー長官は12日、レナン・カリェイロス上院議長に対する起訴状提出と共に、同職解任も求めた。レナン氏は、判事や検察に対して圧力をかけうる「職権乱用防止法」を上院で強行採決しようとした直後、最高裁のマルコ・アウレーリオ・メロ判事から議長職停職を命じられたが、連邦政府と最高裁の「談合」もあり、停職が無効となっている。ジャノー長官は最高裁での審理前から、同氏解任を求めていた。
レナン氏にとってはLJ絡みで初の起訴状で、彼が10年の上院選挙の際にセルヴェング社から80万レアルの収賄を行った容疑に関するもの。ただし、これは同議長に関する11件の疑惑(LJに限れば8件)の一つに過ぎない。
また同日、ルーラ元大統領も連邦警察から通算5度目となる告発を受けた。これはサンパウロ市のルーラ研究所の土地取得やサンベルナルド・ド・カンポにある自宅に隣接するアパートの賃借に関する不正交渉の疑い。ルーラ氏の他に、マリーザ夫人や元財相で現在勾留中のアントニオ・パロッシ被告ら6人が告発された。
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