ブラジルテメル政権発足当初よりの最重要課題である、国庫歳出に20年間に渡って上限を定める憲法改正案(上限法)の上院審議が13日午前10時に始まった。
上下両院で、2回ずつの承認が必要な上限法は、これまで下院で2回、上院で1回承認されており、最後の上院可決を待つばかりだった。
野党側は採決延期を求める動議を提出するなど抵抗を見せたが、結局採決となり、午後1時半過ぎ、賛成53、反対16で可決された。
また12日、景気回復を優先事項として取り組んでいるテメル政権のエンリケ・メイレレス財相は、国内主要銀行に対し、企業、一般消費者に対する金利を下げるように要請した。
ブラジル銀行連盟(Febraban)主催の昼食会で、同財相は、「経済基本金利(Selic)が引き下げられたにもかかわらず、銀行がそれを消費者に還元していない」と批判した。
ムリーロ・ポルトガル同連盟会長は、「利息を下げられないのは、融資焦げ付き件数が多く、また、景気回復への信頼感が低いから」と語る。
メイレレス財相は、「政府は数日の内にミクロ経済規模の景気刺激・雇用回復策を発表する」としたが、詳細への言及を避けた。
連邦政府は先週以来の汚職疑惑発覚による国民の批判を収めるべく、今週中にも、市民、中小企業らを対象とした、景気刺激策を打ち出す意向を示している。
企業負担による退職金の積み立て制度、勤続期間保障基金(FGTS)の資金を各企業に開放し債務を軽減させる事、住宅政策「ミーニャ・カーザ」において新たな募集枠を設ける事、社会経済開発銀行(BNDES)による中小企業の債務支払い期限延長などが、景気刺激策に含まれると予想されている。
テメル大統領は15日に、メイレレス財相、ジオゴ・オリベイラ企画相、パジーリャ官房長官、国税局、財務局の代表者も交えての会合を予定しており、そこで景気刺激策の詳細を詰めると見られている。