インターネットのタクシー配車サービスUberが、13日にブラジルで食品宅配のUberEats(UE)のサービスを開始した。
同サービスは今のところ、サンパウロ市内中心部に限定されているが、タクシーを利用するのと同じやり方、「インターネットで申し込み、支払う」で、宅配での食事の配送を受けられる。
このサービスは先行のiFoodやPedidos Jaと違い、UEは商品の調理を行わず、提携業者から、利用者までの配送に徹する。
このサービスはまだ試験段階で、利用者も制限されている。
UE側も利用者制限をいつ解くかは未定だとしている。サンパウロ市内では既に100以上のレストランがUEと提携しており、その中には高価格帯のレストランも含まれている。配達までの時間は平均35分を予定している。
「ブラジル人は高級レストランの宅配に慣れていない。だからこのサービスが根付くには、顧客がピッツァ以外にも宅配の可能性がある事に気付く事が必要。UEにとっては大きな挑戦だ」と飲食業コンサルタントのアダルベルト・ビビアーニ氏は語る。
UEはiOSにもアンドロイドにも対応している。UEを利用するためにはアプリケーションをダウンロードして、アカウントを作成する必要があるが、Uberアカウントを既に持っている人はそれを使用できる。
それから先は、アプリケーションを起動させ、レストランと食べ物を選んで注文するだけだ。UEはレストランに注文を伝え、レストランはUEに調理時間を伝える。配達料金は7レアルで、Uber車の最低運賃と同額だ。
UEにはバイク便、自転車便の他に、徒歩で届ける人まで存在する。
専門家は、UEは宅配サービスを行い、売り上げを伸ばしたいレストランの悩みを解決するものだとしている。
配達人を集める手間、待機させておく間の人件費、配達オペレーションのノウハウが何もなくてもUEに委託することで、これまでに取り逃してきたビジネスチャンスを得られるからだ。
また、高級レストランとの提携はUEにとっては、競合を避ける戦略にもなっている。(14日付エスタード紙より)