ブエノスアイレスで14日、南米南部共同市場(メルコスル)閣僚会議が開かれ、来年前半の活動方針などを話し合ったが、ベネズエラは招かれておらず、議長国は空席のままアルゼンチンに移ると同日付エスタード紙やG1サイトが報じた。
ベ国はメルコスル加盟から4年経っても加盟のための諸条件を満たす事ができず、7月からの議長国就任を否定された。12月2日には加盟資格喪失も決まった。加盟資格喪失は、民主国家である事の立証や人権擁護といった加盟国の必須条件を満たしていないと判断されたためだ。
14日の会議は創設4カ国(ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)の閣僚会議で、パラグアイ外相は13日、「ベ国外相もベ国政府も招かれていない」と明言した。だが、デルシー・ロドリゲス外相は同日、同会議に赴き、除籍決議は不当だと主張する意向を表明。同外相は14日未明にブエノスアイレスに着き、現地時間の10時頃、会議場前まで来たが、車から降りず、報道陣にも無言で去った。
例年は12月開催のメルコスル首脳会議は中止されており、ア国が1月から議長国となる事などは閣僚会議で確認する。
一方、14日付フォーリャ紙によると、ベ国議会は13日、同国民の経済危機の責任はマドゥーロ大統領にあると全会一致で決議した。同国議会には大統領罷免権はないが、同国裁判所が10月に罷免を求める国民の署名を23州中5州で無効とした事を受け、先の決議を行った。同決議は大統領支持派が退場後、全会一致で採択された。
なお、マドゥーロ大統領は12日、国際マフィアが同国経済をかく乱しようとしているとして、15日からの100ボリバル紙幣廃止や、コロンビアとの国境の3日間封鎖などを発表。インフレ高騰で100ボリバルは公式で0・49レアル、闇では0・06レアルの価値しかないが、国民が紙幣交換のために買物や両替に走るなど、国内外で混乱が生じている。