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東西南北

 本紙でも報じている通り、PEC55が上院を通過した13日の夕方から夜は、サンパウロ市やブラジリアなどでは大変な騒動となった。反対しているのは左翼系の人たちだが、一部ジャーナリストが、48年前のこの日は、ときの軍事政権が軍政令第5条(IE5)を通過させた日にあたり、あたかも「ブラジルで地獄の日々がはじまる」かのような記事を書いているのも見うけられている。軍が裁判所から裁判の権限を奪って、軍による政治犯への拷問を強化させたIE5と、政府の財政支出の上限を決めた法案がどうして同じ次元になるのか。的確さを欠いた、恐怖を撒き散らすだけの姿勢では、世の信用は得にくいはずだが。
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 昨日も本欄で報じた日本で開催中のサッカーのクラブW杯に南米代表として参加していたアトレチコ・ナシオナル(コロンビア)は、14日の準決勝で開催国・日本の鹿島アントラーズに0―3と完敗し、決勝進出を逃した。シャペコエンセの飛行機墜落事故の際は、本来の対戦相手として心温まるオメナージェンを示してくれたチームだけに、優勝を期待したいところだったが。日本で初の同杯決勝進出となったアントラーズの決勝での健闘を祈りたい。
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 12日夜、サンパウロ州イタチーバのドン・ペドロ高速道で、プロテジェ社の現金輸送車が10人ほどの武装集団にマシンガンで襲撃され、警備員1人が死亡、軍警2人が負傷(1人が重体)する事件が起こった。現金が盗まれたか否かなどの詳細はまだ報じられていない。犯人は15日午後3時現在、なおも逃走中だ。