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「プログラマ・ド・ジョー」が最終回=ブラジルの深夜TVの顔を28年

2015年、ジウマ大統領にインタビューした際のジョー(Roberto Stuckert Filho/PR)

2015年、ジウマ大統領にインタビューした際のジョー(Roberto Stuckert Filho/PR)

 17日未明、ブラジルのテレビ界で、ひとつの時代が終わる。グローボ局で長らく続いてきた深夜のトークショー、「プログラマ・ド・ジョー」が17日未明0時30分の放送で最終回となる。
 この番組は、1960年代からブラジルのコメディ界を引っ張ってきたコメディアン、ジョー・ソアレスが1988年にはじめた、アメリカの「トゥナイト・ショー」を意識したスタイルの深夜のトークショーだ。99年までの11年間は、SBT局で「ジョー・ソアレス・オンぜ・エ・メイア」のタイトルで放送したが、2000年からはグローボで現在のタイトルで放送していた。
 その間、足掛けで約28年。日本の「笑っていいとも」の森田一義(タモリ)や、アメリカの「レイトナイト」のデヴィッド・レターマンのように、30年前後、帯時間帯のヴァラエティ・ショーの司会を務めた名物司会者はいるが、それに劣らぬ記録となった。
 その間、番組名物のインタビューでは1千人を超えるゲストを迎えた。その中には「音速の貴公子」アイルトン・セナや、ジーコ、ロナウド、ネイマールといったサッカーのスター選手、ロベルト・カルロスやカエターノ・ヴェローゾ、イヴェッチ・サンガーロといった世界的な歌手、歴代大統領まで含まれている。
 この番組注目の最後のトーク・ゲストは、彼の親友でもあるジラウドとなった。ジョーより6歳上で、84歳の漫画家、作家の文化人であるジラウドは、これまでも何度もスタジオに現れて、現場を笑いに包んできた。つきあいも60年を超えることから、最後の放送にはふさわしいゲストと言えるだろう。
 また、ジョーの番組には常に6人組のジャズのバックバンド「セステット・ド・ジョー」がついていたが、彼らともこれでお別れとなる。バンドのリーダー格、82歳のベーシスト、ビラは「この番組が終わったらどうしようなんて、まだ考えられないよ」と、最終回を惜しんでいる。
 ブラジルでは現在、深夜トーク番組戦争が起きている。昨年、SBT局のダニーロ・ジェンチルが司会を務める「ザ・ノイテ」が「プログラマ・ド・ジョー」の視聴率を抜いてからは、若手コメディアンを司会に起用した番組が次々に誕生。レコルデ局のファビオ・ポルシャによる「プログラマ・ド・ポルシャ」、グローボが「プログラマ・ド・ジョー」と並行して新しくはじめた、マルセロ・アジネッチ司会の「アジナイト」など、30歳代の若い司会者の番組が相次いでおり、「世代交代」を印象付けていた。(16日付グローボ局サイト、Gショーなどより)