上下両院が15日、1390億レアルの赤字となる事を前提に、17年度の予算案を承認したと15日付G1サイトや16日付エスタード紙が報じた。
17年度の予算案には13日に上院が承認した歳出上限法が正式な法令として適用されたため、保健衛生関連の費用と教育関連の費用以外は、16年度の予算に公式インフレ率分を上乗せした額が上限となっている。15日に承認された連邦予算基本法(LDO)と17年度予算案(年間予算法、LOA)は、大統領の裁可後に発効となる。
LDOの基本部分は8月に承認されていたが、15日は、来年度の基礎的収支が1390億レアルの赤字になる事や、17年の国内総生産(GDP)の推定成長率を1・2%と設定する事、保健衛生関係の予算には99億レアルの特別枠を加え、総額1154億レアルとする事の3点が追加承認された。
来年度予算中、連邦政府が管轄する歳出の総額は3兆5千億レアルで、1月1日からの最低賃金は、現行の880レアルより7・5%増しの945・80レアルとなる。
最低賃金の算定は、前年の公式インフレ率(16年は推定7・5%)+前々年のGDP成長率(15年はマイナス3・8%)で行われるため、17年の最低賃金は、実質的な伸びがゼロという事になる。
ただ、財務省はGDPの推定成長率を予算案作成時の1・6%から1%に引き下げており、今回承認された予算案との間の差は、第1四半期に行われる予算凍結や削減の対象となる見込みだ。
なお、来年度のインフレは4・8%、経済基本金利(Selic)は12・11%、為替は1ドル3・43レアルと予想されている。
15日にLDOが承認された事で、連邦議会は来週から休暇に入る事が可能となった。15日の両院合同本会議では、LDOやLOA以外にも、大統領が拒否権を行使した案件の再審議も行われ、拒否権が行使された案件9件中3件は、議会側が拒否権を拒否した。