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テメル大統領夫婦がサンタ役=世論では圧倒的な不人気も

16日、クリスマス・プレゼントを子供たちに配るテメル大統領夫妻(Marcos Corrêa/PR)

16日、クリスマス・プレゼントを子供たちに配るテメル大統領夫妻(Marcos Corrêa/PR)

 テメル大統領は16日、大統領官邸貴賓室に小学生たちを招き、マルセラ夫人やサンタクロースに扮した大統領府の職員らと共にプレゼントを配った。
 緊張した面持ちで貴賓室に集まったのは、連邦直轄区ソブラジーニョ市の公立校で学ぶ5歳から13歳の少年少女、約100人で、椅子に腰掛け、大統領夫妻やサンタの登場を待っていた。
 テメル大統領とマルセラ夫人、郵便局員でサンタ役を21年つとめているマルセロ・ノローニャさん、そしてサンタの格好に扮した大統領府職員らは子供たちの前に現れると、子供たちに次々とプレゼントを配った。
 各々のプレゼントは、郵便局が毎年行う「サンタへの手紙」に協力している大統領府の職員らが用意したものだ。
 大統領夫妻は子供たちに望まれるがままに、子供たちと言葉を交わし、写真撮影に応じた。
 もっとも、「大統領にクリスマスのイベントで会った」と言っても、今は特別にうれしいものでもないかもしれない。
 ジウマ前大統領の罷免で副大統領から昇格したものの、「裏切り者」のイメージもあり、テメル大統領の支持率は約10%と伸び悩んでいる。その不人気のほどは、リオ五輪の開会式や閉会式の際に、本人が野次を恐れて観衆の前に現れるのを嫌がったことからもうかがわれる。
 この、クリスマス・プレゼントを配るタイミングも、ラヴァ・ジャット作戦で告発された最大の問題企業、オデブレヒト社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)が行われている最中で、1回の供述で名前が43度も出るなど、ある面、戦々恐々とさえ言える状況の中にいた。
 そういう意味では、スキャンダルについては大人ほど知らない子供たちとの面会が、せめてもの救いだったのかもしれない。だが、サンタを指して、「年齢はいっているけど、まだまだ重たい荷物を担いで運ぶ」と笑いながら言って、年金受給開始年齢引き上げなどにも理解を得ようとしたのは無理があったかもしれない。
 ただ、もっぱらの人気は美人妻で知られる、まだ30代前半のマルセラ夫人で、この日、大統領府に飾られていたクリスマス・ツリーにも「パラシアーナ(大統領府の女性)」「ファースト・レディ」という名前が付けられていたほどだった。(17日付フォーリャ紙などより)