オデブレヒト社がグループを挙げて行っているラヴァ・ジャット作戦(LJ)での報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)の中で、ジウマ(当時)大統領とミシェル・テメル(当時)副大統領が再選を狙った2014年の大統領選挙のキャンペーンで不正献金を行ったとの証言があったという。19日付エスタード紙が報じている。
同紙の報道によると、先週行われたオデブレヒト社のデラソンで、14年の大統領選時に、ジウマ氏とテメル氏のシャッパへの裏金として3千万レアルを払ったことが語られたという。
連邦検察庁はオデブレヒト社の現・元幹部たちが行ったデラソンを文書とビデオの両方で記録しているが、先週行われた供述の中の少なくとも1件で、ジウマ陣営への選挙献金の件が語られたという。この金額は、同陣営が正式に申告した選挙献金の総額の10%に相当し、捜査官たちは問題の供述の間、ワッツアップで情報を交換しあっていたという。
14年大統領選でのオデブレヒトからの不正献金に関してはこれまで、ジウマ陣営の選挙参謀を務め、今年2月に逮捕されたジョアン・サンターナ氏とモニカ・モウラ氏の夫婦(共にLJで逮捕済)が、決選投票の前後に同社から2150万レアルを受け取ったことが判明していた。同夫妻はこの金は10年選挙の未払い金と釈明していた。
オデブレヒト社のデラソンは、選挙高等裁判所(TSE)で行われている、ジウマ氏とテメル氏のシャッパに関する裁判でも何らかの効力を持ちそうだ。この裁判はアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)が起こしたもので、これまでに37人から事情聴取を行ったが、このシャッパが二重帳簿で献金の実態を隠していたことや、オデブレヒトから直接的な不正献金が行われたことについて言及した証言者は誰もいなかった。
TSEでの裁判はジウマ氏の大統領罷免問題の際も同時進行で進められており、アエシオ氏やマリーナ・シウヴァ氏(Rede)といった14年大統領選候補たちは、ジウマ氏の罷免より、この裁判で同シャッパが「失格」となって再選挙となることの方を強く望んでいた。国民の中にも、TSEで俎上に上っているテメル氏がジウマ氏の罷免後に大統領に就任することに不満を示す人も少なくなかった。
この裁判の再開は17年で、16年中に判決が出る可能性はないため、同シャッパが「失格」となったところで、やりなおしの直接選挙はない。だが、18年10月までに控訴審も含めた判決で「失格」と判断されたら、議会での間接選挙でテメル氏に代わる大統領選出はあり得る。
ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官は19日、オデブレヒト関係者77人のデラソンをまとめた報告書を最高裁のLJ担当のテオリ・ザヴァスキ判事に回した。同判事は休暇中に内容を分析し、2月早々に供述を承認するか否かを判断する。
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