ベネズエラ=ブラジル人までもが帰国できず=新紙幣導入のパニックで=国境封鎖は1月2日まで=市場では略奪行為も相次ぐ

ベネズエラの新紙幣導入に伴う国境封鎖、および、その新札導入の遅れによる国内の大パニックにより、同国内にいるブラジル人も大きな被害を受けている。17~20日付現地紙が報じている。
事の発端は11日、ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領が、同国が抱えるハイパー・インフレへの対処として、値打ちが落ちた100ボリバル紙幣を14日に廃止すると発表したことだ。現在、同国では、コーヒー一杯の値段が1100ボリバルする。
ただ、マドゥーロ大統領はその際、100ボリバル紙幣廃止と共に「高インフレと経済の混乱は諸外国のマフィアが持ち込んだものだから、国境を72時間封鎖する」と発表し、一方的にコロンビアやブラジルとの国境を封鎖してしまった。
これにより、同国に住む数千人のブラジル人の間でもパニックが起きた。彼らはブラジルとの国境近くにあるボリバル州サンタエレナ・デ・ウアイーレンのブラジル総領事館に助けを求めてかけつけた。同市と国境を接するロライマ州パカライーマでは、双方の市民の行き来も盛んだ。
11日のマドゥーロ大統領の発令を受け、ベネズエラ国民は銀行に金を預け入れたり、買い物をしたりして、紙幣の交換を行おうとした。
だが、新紙幣(500~2万ボリバル)の流通が遅れ、100ボリバル紙幣廃止は20日に延期されたため、現金引き落とし機では100ボリバル紙幣が出るが、商店ではそれを受け取りたがらないなどのトラブルが発生。17日には100ボリバル紙幣廃止が1月2日まで再延期されたが、「お金が使えなくなる」と国民の間でパニックが広がった。
これにより、ボリバル州やタチラ州、スリア州でスーパーなどでの略奪行為が起きた。略奪行為はロライマ州に近いボリバル州で激しく、少なくとも6市に国軍が派遣され、外出禁止令も出た。19日付エスタード紙によると、同州では17~18日に350件の略奪行為が起き、262人が逮捕された上、14歳の少年が銃で撃たれて死亡する事件も起きた。
15日に流通開始となるはずだった500ボリバル紙幣は18日に同国に届いたが、流通開始は月末の見込みで、国内の混乱は収まらない。
また、100ボリバル紙幣の廃止延期と共に国境封鎖も1月2日まで延長されたため、コロンビア国境前は出国を願う人たちでごった返す状態が続いている。国境封鎖期間はさらに延びる可能性もある。
19日付G1サイトなどによると、18日にはベネズエラとブラジルの間の外交交渉が成功し、19日には約30人のブラジル人がロライマ州に帰国した。同市のブラジル総領事館には計64人のブラジル人が帰国を求めている。今後も午後4時に国境を開き、ブラジル人の帰国を認めるという。
この混乱で、同国が資格停止を認めないとしている南米共同市場に関してはさらに厳しい状況に追い込まれ、大統領罷免を求める国民の不満も強まりそうだ。