15年の南米でのジカ熱の流行は、エル・ニーニョ現象で拍車がかかったという研究結果が発表された。20日付エスタード紙が報じている。
これは英国のリバプール大学の科学者たちによる研究結果で、科学雑誌「PNAS」に19日付で掲載されたものだ。
エル・ニーニョ現象は、赤道付近の太平洋の海水温度の上昇によって引き起こされる異常気象で、3年か7年に1度起こるとされているが、ちょうど2015年~16年の夏季のブラジルが同現象の影響下にあった。
その研究によると、このときにエル・ニーニョは最大級で、「ゴジラ」という別名がつけられたほどだが、エル・ニーニョによる気温上昇が、ネッタイシマカの増殖、ジカ・ウイルスの感染力や致死率の増大を招いた可能性があるという。
「ジカ熱のウイルスが東南アジアか太平洋の島から伝来したのは2013年頃と思われるが、2年後にジカ熱が流行したのは、エル・ニーニョの影響だといえる」と研究員のシリル・カーミネイデさんは語る。
世界保健期間(WHO)は先日、「ジカ熱はもはや国際的に緊急な状態ではない」と宣言したが、リバプール大学の研究者は「ジカ熱は退散しておらず、将来の流行を防ぐための備えは不可欠」と警鐘を鳴らしている。
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