下院が20日に今年の日程を終えたが、来年の2月1日に行われる下院議長選挙で、ロドリゴ・マイア現議長(民主党・DEM)の再選をめぐるかけひきが既にはじまっている。21日付現地紙が報じている。
20日、下院では、州政府の負債返済の再交渉に関する法案の審議が行われ、エンリケ・メイレレス財相の意向に反し、財政危機で非常事態を宣言した州には、公社民営化や公務員からの社会保障費の負担率引き上げといった項目を削除した法案が、296対12の圧倒的多数で承認された。
だが、この日の下院の最大関心事は、それと前後して開催された下院憲政委員会(CCJ)での、マイア議長の再選の可否を問う審議だった。
憲法第57条には「下院議長の任期は2年間で、任期終了時の選挙には出馬することができない(2期連続で同職に就くことはできない)」と記されている。マイア議長は、エドゥアルド・クーニャ議長の辞任により、今年の7月に就任したため、就任後まだ半年だが、憲法に厳密に従えば再出馬できない。
だが、同件の報告官を務めるルーベンス・ペレイラ・ジュニオール下議(ブラジル共産党・PCdoB)が、「再選を禁じる規定は任期を全うした場合に限って適用されるべき」とし、「マイア議長の任期は前議長の任期を全うするために与えられた期間だけだから、再出馬は可能だ」との意見書を出した。
これに対しては、下院最大会派のセントロンの議員たちが異議を唱えている。セントロンはクーニャ前議長が右派寄りの政党の下院議員を中心に築いた会派で、約200議席を占めており、マイア氏再選は不可との意見書を4件集めている。
セントロンの代表として7月の選挙に出馬し、決選投票で敗れたロジェリオ・ロッソ下議(社会民主党・PSD)は20日、「最高裁の判断が出るまでは出馬を取り下げるつもりはない」と抗戦の構えを見せた。セントロン政党である連帯(SD)は最高裁に判断を求めたが、セウソ・デ・メロ判事は既に、同件は下院が態度を決めるべきとの文書を送っている。
セントロンからはベト・マンスール下議(ブラジル共和党・PRB)も出馬予定で、下院第1書記の職も辞任した。
CCJはこの日、同件に関する投票は行わず、結論を先延ばしにしたままで審議を終えた。
マイア議長は、18年の大統領選へのテメル大統領再出馬を望むほど、テメル氏への忠誠心が強い人物として知られており、連邦政府も続投を期待している。7月の選挙では、民主社会党(PSDB)とDEMの旧野党や、労働者党(PT)を中心とした野党側からの票も獲得して圧勝した。