今年のサンパウロのヴィラーダは？＝バラエティに富んだ音楽出演者

サンパウロのリヴェイロンの街中での花火（Paulo Pinto/Fotos Públicas）

　１２月３１日、ブラジルではある程度規模の大きい市になると｢レヴェイロン｣と呼ばれるイベントで賑わう。ブラジル最大の都市サンパウロではなおさらだ。
　サンパウロの場合は海岸沿いのリオ市とは異なり、リゾート都市というイメージが皆無なので、元旦の花火は話題にはなるものの、街中ゆえに風情には欠ける。ただ、その分、大晦日の夜を盛り上げる繁華街のパウリスタ大通りでの音楽ショーには、国内でもっともお金をかけているといっても過言ではない。
　今年のレヴェイロンの出演者も例年にひけをとらず、なかなかのラインナップだ。大晦日から元旦までのカウントダウン役をつとめるのは、ダニエラ・メルクリだ。９０年代には｢アシェーの女王｣として随一のヒットメイカーだった彼女は、３年前の同性愛告白がマスコミをにぎわして以来、再び脚光を浴びる機会も増えている。もともとショーの盛り上げには定評のあるベテランだけに、楽しいカウントダウンを期待したい。
　また、その他の出演者で目を引くのは、大ベテランのエルザ・ソアレスだ。６０年代のサッカー界においてペレと並ぶ２台巨頭だったガリンシャの夫人としても知られ、ブラジルを代表するサンバ歌手の一人だが、齢８０を越えてからは、ヒップホップや前衛ジャズの若手ミュージシャンたちと実験的な音楽を展開。最新アルバムの「ア・ムリェール・ド・フィン・ド・ムンド」は国際的な評価も高い。
　また、国内ナンバーワン・ラッパーとして、国内の音楽イベントに引っ張りだことなっているエミシダも参加。現在ブラジルで最も人気の高い音楽セルタネージャからは兄弟ドゥプロのエジソン＆ウジソン、ハードロックバンドのグローリアなど、バラエティに富んだ出演陣となっている。
　開催場所は、パウリスタ大通りとブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通りとが交差するところで、地下鉄２号線ブリガデイロ駅のすぐ前なので、アクセスも便利だ。ショー開幕は１２月３１日午後７時で、元旦の午前２時まで続く予定だ。元旦は例年通り、地下鉄の深夜臨時運行が予定されている。（２２日付のサイト、コンフィラマイスなどより）