第11回を迎えた『かずま忌俳句大会』。同じ兼題でも、詠まれた俳句は十人十色。情景が目に浮かびそうな、感性の豊かさが溢れる句だけに、選では多くの参加者の頭を悩ますことになった。
選者の伊那宏さんは、「俳句は世界で一番短い詩だが、奥深さのあるもの」と説明し、「対象物と向き合い、心を深く見つめることで奥行きが広がっていく」とその魅力を語る。
俳句は、文字制限のなかで表現技法を鍛えるだけではなく、直接的でなく言外に余韻を残し、読み手の想像力を掻き立てるという日本の美意識そのものだ。
一方で、「今年も参加者が少なくなった」という寂しい声も。そこで日本語指導のなかに、もっと俳句を積極的に取り入れてみてはどうかと考えた。まずは日本語教師自らが体験してほしい。
率直な表現が尊ばれる当地では、俳句の表現技法は興味深く映るかもしれないし、何より深い日本理解に繋がる。(航)