【既報関連】昨日付本紙でも報じた、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でのオデブレヒト社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に関する米国法務省の発表の中に、連邦政府の元大臣2人が2010年のジウマ氏(労働者党・PT)の大統領選のために5千万レアルの不正献金を行うよう交渉したという情報が含まれていることがわかった。23日付エスタード紙が報じている。
米国法務省の報告書には、オデブレヒトと石油化学系子会社のブラスケンが2006年から9年に、ブラスケンへの税的優遇措置を受けるために、連邦政府高官との交渉を繰り返していたことが記されていたという。その過程で、ルーラ政権の大臣が、交渉を前進させるための要求を出してきたという。
米国同法務省はその大臣の名前を明らかにしていないが、エスタード紙はこの大臣は、当時財相だったギド・マンテガ氏だと推測している。
同紙はさらに、ブラスケンに関する交渉をはじめたのはマンテガ氏の前任のアントニオ・パロッシで、同氏は06年に財相辞任後もブラスケン側のコンサルタントとして交渉窓口になっていたと指摘している。
この件でオデブレヒトと交渉を重ねた人物は、09年に、10年の大統領選にPT候補として出馬したジウマ氏のキャンペーンの費用として5千万レアルの支払を要求したと、米国法務省は伝えているが、その人物がマンテガ氏だという。
同紙の推測は、今年の9月に行われた第35次LJ後、連邦警察が、押収したメールなどから、マルセロ・オデブレヒト前社長が、マンテガ氏とパロッシ氏を通じてブラスケンが恩恵を受けられるように画策していたことが明らかだと発表したことを基にしている。
パロッシ氏はこの際に逮捕。マンテガ氏はその前の34次LJで一時逮捕されたが、妻の手術立会いのためにすぐに釈放された。オデブレヒト内の賄賂分配表には、両被告のコードネーム「イタリアーノ(パロッシ)」「ポス・イタリア(マンテガ)」が記されており、後者の表に5千万レアルの振込みが表示されていたという。
米国法務省はさらに、パロッシ氏と思しき人物に1400万レアルの振込みが行われたことや、オデブレヒト側は支払った金が賄賂だと知っていたとも指摘している。
23日付フォーリャ紙は、マルセロ・オデブレヒト被告が最近行ったデラソンで、ルーラ氏が大統領職を退いた2011年以降もその影響力を維持できるように、ルーラ氏への賄賂専用の口座を作り、ラ米諸国の首脳の選挙キャンペーンも支援していたと供述したことも報じている。