小頭症の子供が増えているのは、妊婦がジカ熱にかかった事と関係がありそうだ―。15年8月にブラジル北東部の医師が警告を発して以来、出産、妊娠が可能な年齢層の女性やその関係者を中心に、ジカ熱感染を懸念する声が高まっている。
同年11月からは保健省も実態解明に力を入れ始め、世界保健機構(WHO)も警鐘を鳴らすなど、ジカ熱は世界的な関心事ともなった。
リオ五輪前には、自分が感染すれば、子供にも悪影響を及ぼす可能性があると聞き、リオ五輪への出場を辞退する選手が出たし、防虫ネットを頭から被った写真をインターネットに掲載し、自分が持参する虫除けは人には使わせないと宣言して大ひんしゅくを買った女子選手もいた。
だが、この懸念は、ブラジルの女性人口の83%を占める18~39歳の女性の内、市街地に住む大卒以上の人、2002人を対象として、16年6月に行われたアンケート調査の結果にもはっきりと表れた。
回答者の56%が、ジカ熱感染と小頭症児誕生の可能性を考慮し、当面は妊娠をしないよう心がけたとか、今は妊娠を避けろと言われたと答えていたのだ。
回答者の中には、ジカ熱の流行とは関係なく、子供を持ちたいとは思っていないと答えた人も16%おり、ジカ熱の事は知っているけど、避妊などは考えていないと答えた人も27%いたが、妊娠、出産が可能な時期の女性の半数以上が妊娠を回避しようとしたという事実は重い。
ジカ熱感染者の数や小頭症児の誕生数が多い事を反映したのか、北部では、妊娠を回避しようとしたとか、回避するよう言われたとかいう女性の割合が66%に達し、南部の46%と比べて圧倒的に高かった。
また、黒人で貧困の家庭では小頭症児が生まれる比率が高いという情報が流れた事もあってか、黒人女性や混血女性で妊娠を回避しようとした女性は64%と56%に達し、白人女性の51%より高かったが、宗教との関係では有意差はなかったという。(22日付G1サイトなどより)