24日から25日にかけて、サンパウロ州とリオデジャネイロ州の全15カ所で、クリスマスの特別なパーティーが開かれた。
「私の難民の友人」と題するプロジェクトは、サンパウロ市にある非営利団体のMigraflixが企画したもので、サンパウロ州とリオ州に住むブラジル人家庭と難民達を繋ぎ、難民がブラジル社会に溶け込む事ができるようにという願いから生まれた。
ブラジル国内でも、難民の数はここ数年、目に見えて増えている。現時点で認定済みの難民は8千人超だが、難民申請中の人は2万8千人を超える。これらの人達の大半は、戦争などを逃れ、新しい生活を築くために、文化や習慣も違い、顔見知りもいない土地に移り住んできた人達だ。
Migraflixの新企画、祖国を離れ、身寄りもない難民達を、24日の夕食か25日の昼食に招き、心温まるクリスマスを過ごしてもらうという企画だ。
同団体のサイトには、難民達の名前や顔写真などを含むプロフィールと共に、どんな料理を持参できるかといった情報が掲載されており、関心を持ったブラジル人が自分の住所や家族構成、連絡先、希望日などを登録すると、その中の15組が選ばれ、クリスマスに特別な1日を過ごす事ができるようにプログラミングされていた。
ダマスコに住んでいた時、スクールバスに乗り遅れたおかげで、学校が空爆されたのに助かったという、13歳のマエクル・ファレス君は、10カ月前、両親や姉のアンジラさん(17)と共にブラジルにやってきた。
アンジラさんがブラジルで最初のクリスマスにプロジェクト参加を申し入れたところ、サンパウロ市に住む教師のフェルナンダ・ヌネスさん(30)が招きたいと応答。メールで情報を交換し、25日の昼食を共にする事になった。
フェルナンダさんの母親のエジナ・アウヴェスさん(49)は、アンジラさん達との昼食のため、ラザーニャや特別に太らせた鶏の丸焼き、マヨネーズサラダ、白米やフェイジョン、デザートなどを用意した。
フェルナンダさん達がファレス家の人々を迎える事はアパート中の人が知るところとなり、フェルナンダさんの婚約者のジェアン・カルロス・ダ・シウヴァさん(33)が車で出かけるのを見た隣人達は、「シリア人達を迎えに行った」と囁きあったという。
アンジラさん一家の現在の稼ぎ手はアンジラさんのみで、金細工職人の父エリアスさん(46)と主婦の母ルラ・カラビチアンさん(36)は仕事を探している。
マエクル君は友達が少なく、思うようにポルトガル語が習得できずにいるが、アンジラさんは、新しい言葉の意味を確かめたり、ブラジル人の年越しの方法や、年越しの時に海に花を投げ込む理由などを尋ねたりして、積極的に交わった。
ブラジルに来た時はシリアに帰りたいと考えていたアンジラさんも、現在はお金をため、祖父母を招こうと考えている。
Migraflixでは、今後も毎月、同様のプログラムを継続し、難民達の社会統合を後押しする意向だ。(26日付エスタード紙、16日付エスタード紙サイトなどより)
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