ブラジルの音楽界を代表する歌手、ジルベルト・ジル(73)が、2月25日にサンパウロのシリオ・リバネス病院に入院し、退院のめどもつかない状態で、心配されている。
ジルが入院したきっかけは、カエターノ・ヴェローゾとの欧州ツアーから帰国して、定期的な健康診断を受けたことで、本人が事前に体調不良を訴えていたわけではなかった。
ジルは、国内では癌や心臓病の権威としても有名なシリオ・リバネス病院に2月25日から入院している。病院側は1日の時点で、入院中にジルは2度、かなり高い高血圧値を記録したと発表しており、決して良い状況とはいえないようだ。
ジルとカエターノは、4月3日から再び、アメリカやペルー、チリのツアーを予定しており、その後は再度、ヨーロッパのいくつかの国でツアーをやることも確実と見られていた。
ジルは、60年代後半にカエターノやオス・ムタンチス、ガル・コスタ、トム・ゼーなどと共に文化運動の「トロピカリズモ」を起こし、ブラジル音楽の伝統と当時最先端のロックを融合させた存在として知られ、その音楽的成果は国の内外で高く評価されている。
(7日付G1サイトより)