ブラジルの全国自動車販売業者連盟(Fenabrava)が4日、16年の新車販売台数は前年比20・19%減の205万327台だったと発表した。3日付フォーリャ紙や4日付エスタード紙などによると、16年の実績は06年の193万台を若干上回ったが、07年の246万台を下回った。
乗用車と軽量商用車の販売台数は198万6389台で、前年比19・7%減だったが、トラックは前年比29・92%減の5万292台、バスは同32・92%減の1万3646台だった。
新車販売台数は、380万台を記録した12年まで9年連続で増えていたが、以後、4年連続で約46%減った。減少のペースは0・8%、7・2%、26・6%と加速していたが、16年はやや収まった。
16年12月の販売台数は20万台を超え、前年同月比で10・24%減ったものの、前月比では14・73%増(乗用車と商用軽量車が14・66%、トラックやバスも17・68%と15・44%増加)と、年間唯一の増加を示し、回復への期待をもたらした。
ただし、全国自動車工業会(Anfavea)は17年の販売台増加率も1桁台と見ている。成長率は、悲観的な予想が1~3%、より肯定的な見方で6%程度で、年間総計で463万台の生産能力を持つ国内の工場がフル稼働となるには程遠い。
2年前、サンパウロ州ジャカレイー市に12億レアルを投じて工場を建設したチェリーは今年、昨年後半に6カ月間操業を停止していた工場を再稼働させたが、ホンダは、サンパウロ州イチラピーナ市に建設した工場の操業を見合わせる。ホンダは今年後半、新車種を導入する予定だが、新車種の生産も同州のスマレー工場で行う意向だ。
16年の自動車製造業界を救ったのは輸出の増加で、1~11月は前年同期比23・4%増の約50万台を輸出。関係者は、電力や部品などを含む生産コスト、輸送費がネックとなり、国際競争力が殺がれてさえいなければ、アフリカや南米への販売台数はもっと増えていたはずだという。