【既報関連】ブラジル北部アマゾナス州マナウス市の州立ライムンド・ヴィダル・ペッソア判事刑務所で8日未明、少なくとも4人の囚人が殺され(内3人は斬首)、8人が負傷したと、9日付現地各紙が報じた。
これは、新年早々に同市の刑務所4カ所で暴動が発生し、60人の死者が出た事を受けて、受刑者を隔離し、安全性を高めるべく、アマゾナス州政府が緊急で使用を再開した刑務所での出来事だ。
1月1日に暴動が発生したアントニオ・ジョビン複合刑務所(Compaj)には、州都第一コマンド(PCC)所属の囚人と、PCCと対立するコマンド・ヴェルメーリョ(CV)系のファミリア・ド・ノルテ(FDN)所属の囚人が収監されていた。
公立刑務所には283人の囚人が、組織ごとに隔離される事なく移送されていた。セルジオ・フォンテス同州保安局長は、8日未明の暴動は犯罪組織同士の抗争が原因ではないとしている。
殺人が発生した時、現場の警備は2人しかいなかった。事件後、2人の囚人が行方不明になっている。
アマゾナス州で1月1日から2日にかけて発生した暴動では、184人が脱走し、内116人が未だに逃走中だ。
1月1日~8日のアマゾナス州での囚人の死者は67人に及ぶ。ブラジル全土では、6日未明にロライマ州で33人が殺され、4日もパライバ州で死者2人が出る暴動が起きており、死者の総計は102人となった。これは2016年全体の囚人死者数372人の27・4%に及ぶ。
政府は6日に国家治安維持計画を発表したばかりだが、アレシャンドレ・デ・モラエス法相は即刻、アマゾナス、ロンドニア、マット・グロッソ州の要請に応じ、連邦政府から研究チームや機材を提供することを承認した。ロライマ州には国家治安部隊(FN)が近日中に派遣されることになっている。アマゾナス州も8日の事件後、FN派遣を要請した。
ブラジルの各マスコミは、8日に発表された対策は「消極的で大胆さに欠ける」と批判したが、法務省は更なる危機に対応するため、全州の保安局長や刑務所管理の責任者らとの会議を17日に開催することを決めた。
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