サンパウロ市のバスと地下鉄の乗継利用料金などの値上げが、サンパウロ州地裁の暫定令を押し切ってスタートした。9日付現地サイトなどが報じている。
バスと地下鉄、それぞれの乗車の料金はこれまで通り3・80レアルだが、これまで5・92レアルだったバスと地下鉄または都電(CPTM)の乗継料金が6・80レアルに値上げとなる。このことは、昨年の12月31日に、他のビリェッテ・ウニコの値上げと共に発表された。
だが、実施日を2日後に控えた6日、サンパウロ州地裁は、この乗継料金や、月極と24時間限定のビリェッテ・ウニコを含む全ての料金改定計画の差し止めを求めた。
地裁が料金改定を差し止めた理由は、「ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長が公約の際に値上げを行わないことを宣言していた」「これでは市の中心部から乗り継ぎの必要がないくらいに近いところに住んでいる人だけが恩恵を受け、それ以上遠くに住む人はインフレ以上の打撃を受けることになる」というものだった。
だが、サンパウロ州都市交通局は「サンパウロ州地裁からの通達を受け取っていない」との理由で、8日は一部の駅で、また9日からは正式に値上げを行った。ただ、ピニェイロスなど、一部の駅やターミナルでは旧価格のまま料金徴収が行われ、9日朝も旧い価格表が掲示されているなど、改訂差し止めの暫定令発行に伴う混乱が見られている。